事前に情報は仕入れていたんだけど、グレイトトラックの一部分が落石によって通れなくなっていたから、大きく回り道をしないといけなかった
無事に干潮のうちに干潟を通り抜けた俺たちは、残り少ない食料の内のカップ麺一個を半分ずつ分け合ってエネルギー補給したけど、全然足りない
回り道に使うトラックはDOCの管理してない道で荒れ放題だった
草は生え放題だし、道も徐々に不鮮明になっていく
小さな沢が何箇所もあるんだけど、橋が架かってないので、渡るのに失敗すると靴がビショビショになる
カロリーが足りない状態で判断力も鈍っていた
そんな時にちょっとしたトラブルが起こった
嫁の体調がすぐれなく、どんどん歩く速度が落ちてきて、二人の間の距離が開いてきていた
「先にいってていいよ」との事だったので、俺だけ先にどんどん進んだ
道しるべも無く道がどんどん不明瞭になってきて、終に何処が道だかわからなくなってしまった・・・
あっちいったりこっちいったりする事10分くらいでようやく道らしきものを見つけた
その間にも嫁は追いついてこなかったので、取り合えず先に進んだ
本当ならそこで待つべきだったんだけど、地図を持ってるのは嫁だし大丈夫かなって思った
そこから30分歩く事ようやく回り道の車道に出たので、そこで嫁を待つ事にした
しかし、10分が過ぎ20分が過ぎ・・・一向に誰も出てこない
あと20分待って来なかったら荷物を置いて探しに行こうと決めていた
そして10分。。20分。。流石に危機感を感じて探しにいこうと立ち上がったところ
遠くの方から男の声で俺の名前に似た発音の大声が聞こえた?
なんとなく俺の名前のように聞こえるが、変な発音だし気のせいだろうと聞かなかった事にしたんだけど
また「ひ~で~あーーくーー」ん?
やっぱ俺をよんでいる?っていうか言えてないし。。。語尾がメチャクチャ上がってるし
そして今度はもう少し近い距離から「しぃーでーあー」またまた言えてないけど、やっぱり俺を呼んでいる
初めてあった白人に自己紹介して相手が復唱した時がこんな感じだった
もうお解かりだと思うけど、嫁が通りすがりのトレッカーに助けを求めて、その通りすがりの白人トレッカーが俺の名前を叫んでたと言う事だとおもったわけです
それで声のする方に再びトレックロードを戻ると、上半身裸にリュックを背負ったロン毛のランボーのような白人が嫁と一緒に歩きながら、俺の名前のようなものを四方八方に叫びまくってたと言うわけだ
話を聞くと、やはり嫁も俺と同じところで迷ったらしく来た道を引き返していたら、通りすがりのランボーがいたから助けを求めたらしいのだ。俺も道に迷ってどこかに消えたと思ったらしい
俺たちはランボーにお礼をいって再びまわり道の車道を次のトレックロードを目指して歩き始めた
しかしだ、腹減ったな~
しかもこの何もない砂利道の車道を6km歩かないと、次のトレックロードに入れないらしいのだ
道に迷ったりまわり道させられたりしたせいで時間は予定よりかなり押していて状況はあまりよくない
そこでだ、一つ俺から提案をしてみた。ヒッチハイクなんてどうだろうか?
ただ、おれが読んだガイドブックによるとNZでのヒッチハクは日本でやるより難しいとか
それは人口が圧倒的に少ないから(400万にちょっと)、必然的に車の通る数も少ない、そしてここは山道である、確かにさっきから10分以上車が通らない
それでも次来たらとめてみようよと嫁と相談しながら歩いていた
「所でヒッチハイクってどうやって車止めるんだっけ?」「え~と確か親指を・・・」
「あっ、親指を下に下げるんだっけ?」「違うよ、親指を上に向けるんだよ。下に下げたら地獄に落ちろって意味にならない?」
「じゃー上に向けたら天国に昇天しちまなって意味にならないか?」
と、ヒッチハイクなんてした事ない俺たちは、どうやって止めたらいいか揉めていたら、後ろから白の綺麗な日産車が走ってきた
取り合えず地獄より天国の方がいいだろうと言う事で「天国に昇天仕上がれ」の親指を二人で立てて道路脇に構えた
目の前を大量の砂埃を上げながらそのまま去ってくかと思いきや、あっ、とまった!!
乗ってたのは白人の夫婦らしく、事情を説明しようとしたら、その前に既に後部座席の荷物を片付け始め早く乗れと・・・
一発で成功したよ。さすがNZだぜ
でも話を聞くと彼らはカナダ人で休暇を使って遊びに来てるのだとかで、車はレンタカーだった
「日本の車はどうだ?」って聞くと、二人とも声を揃えて「ベリーナイス!」と
目的地も同じだったので、次のトレックロードまで連れて行ってもらった
これで時間を大幅に短縮できて、問題は一つ解決された
しかし、まだ俺たちには大きなプロブレムが残されていた
腹減った。。。本当に頭がふらふらするんだよ
重い荷物を背負って一日に10時間近く歩くから、本来なら4000~5000キロカロリーは摂取しないといけないのに、俺たちが今日摂ったカロリーはわずかに200前後
今思うと結構危険な状態だったと思う
キャンプ地に着く頃には、完全に体に力が入らなくなって、一切の会話も無かった
俺たちを元気よく優々と抜かしていった白人女性の太ももに、別の意味でかじりつきたかったよ
本日のテントサイト
俺たちの腹の中のようにガランとしていて、テントの中からはメロン色の海が望める、先客がテント一張りのみの最高のロケーション
にも関わらず、俺達の今日の夕食はカップ麺二つ・・・・
ふらふらとした体でテントを張って、あっと言う間にカップ麺を平らげた俺たちは、無駄な体力を消耗しないようにすぐに寝袋に体を滑り込ませた
横になると食べた直後にも関わらず、「ぎゅろろろろーーー」とムンクが叫んでるような音を立てて二人の腹の中から空腹の叫び声が、NZの海に響き渡る
悲しい協奏曲である
夜中の3時過ぎ、腹が減りすぎて目が覚めた
どうやら俺は焼肉とキットカットを食べる夢を見たようだ。嫁も目が覚めたらしく、肉じゃがの夢を見てたらしい
そんな時、隣のテントから人の声が聞こえてきた、まだ起きてるのか?
嫁が終に血迷ったか「私なんか食べ物もらってくる」といってテントを出て行った
「こんな深夜にやめておけって」って言ったんだけど、それでも嫁がテントを出て行った後には、何か貰えたらいいなって雀の涙程度の期待をしていた
なにやらごにょごにょと会話が聞こえて数分後、帰ってきた嫁の手には何も握られていなかった
嫁の話によると、もう今日は遅いから、明日の朝8時ごろに起きるから、そしたらご飯を炊いてあげるって言われたらしい
でも俺達にはバスがあるからそれまで待てないし、飴玉とかチョコ程度の物でよかったんだけど、それを英語で上手く伝えられなかったらしく、そのままYESといって戻ってきたらしい
向こうからしてみれば、夜中の3時に飯をねだりに来たクレイジーな東洋人が隣にいるって思わせて、さぞ薄気味悪かっただろうな
話してるとき、テントのドア閉めたままだったらしいから
案の定俺たちが出発する頃になっても、彼らはまだ寝てたから、諦めて俺たちは最後の行程を歩き始めた
途中疲れて寝転がったら、空に薄く張られた雲が、味噌汁に溶けるとろろに見えたよ・・・腹減った
それでも俺たちはこれを乗り切れれば、何でも好きなものを食べられるってのを原動力に、必死で歩いた
途中の山小屋に女性のDOCのレンジャーがいたから
「俺達昨日から何も食べてないんだよ」 「なんで?」 「食料が切れちゃって」って話したら、親切にも呆れながら、俺たちに食料をくれた
もらったのはライスクッキーっていって、水でふやかして食べるものなんだけど、腹が減ってた俺たちはそのままかじり付いた
誰もみてなくてよかった
少し塩辛かったけど、ライスに含まれている糖分がエネルギーとなって、体中を駆け巡るのを感じた
これで、歩ける
なんだか、俺の胃袋と食道の間に後光が差してきたぞ
こうして3泊4日に及ぶエイベルタスマンの奮闘も、周囲の人の助けによって、大きな事故もなく無事に踏破することができました
無事に干潮のうちに干潟を通り抜けた俺たちは、残り少ない食料の内のカップ麺一個を半分ずつ分け合ってエネルギー補給したけど、全然足りない
回り道に使うトラックはDOCの管理してない道で荒れ放題だった
草は生え放題だし、道も徐々に不鮮明になっていく
小さな沢が何箇所もあるんだけど、橋が架かってないので、渡るのに失敗すると靴がビショビショになる
カロリーが足りない状態で判断力も鈍っていた
そんな時にちょっとしたトラブルが起こった
嫁の体調がすぐれなく、どんどん歩く速度が落ちてきて、二人の間の距離が開いてきていた
「先にいってていいよ」との事だったので、俺だけ先にどんどん進んだ
道しるべも無く道がどんどん不明瞭になってきて、終に何処が道だかわからなくなってしまった・・・
あっちいったりこっちいったりする事10分くらいでようやく道らしきものを見つけた
その間にも嫁は追いついてこなかったので、取り合えず先に進んだ
本当ならそこで待つべきだったんだけど、地図を持ってるのは嫁だし大丈夫かなって思った
そこから30分歩く事ようやく回り道の車道に出たので、そこで嫁を待つ事にした
しかし、10分が過ぎ20分が過ぎ・・・一向に誰も出てこない
あと20分待って来なかったら荷物を置いて探しに行こうと決めていた
そして10分。。20分。。流石に危機感を感じて探しにいこうと立ち上がったところ
遠くの方から男の声で俺の名前に似た発音の大声が聞こえた?
なんとなく俺の名前のように聞こえるが、変な発音だし気のせいだろうと聞かなかった事にしたんだけど
また「ひ~で~あーーくーー」ん?
やっぱ俺をよんでいる?っていうか言えてないし。。。語尾がメチャクチャ上がってるし
そして今度はもう少し近い距離から「しぃーでーあー」またまた言えてないけど、やっぱり俺を呼んでいる
初めてあった白人に自己紹介して相手が復唱した時がこんな感じだった
もうお解かりだと思うけど、嫁が通りすがりのトレッカーに助けを求めて、その通りすがりの白人トレッカーが俺の名前を叫んでたと言う事だとおもったわけです
それで声のする方に再びトレックロードを戻ると、上半身裸にリュックを背負ったロン毛のランボーのような白人が嫁と一緒に歩きながら、俺の名前のようなものを四方八方に叫びまくってたと言うわけだ
話を聞くと、やはり嫁も俺と同じところで迷ったらしく来た道を引き返していたら、通りすがりのランボーがいたから助けを求めたらしいのだ。俺も道に迷ってどこかに消えたと思ったらしい
俺たちはランボーにお礼をいって再びまわり道の車道を次のトレックロードを目指して歩き始めた
しかしだ、腹減ったな~
しかもこの何もない砂利道の車道を6km歩かないと、次のトレックロードに入れないらしいのだ
道に迷ったりまわり道させられたりしたせいで時間は予定よりかなり押していて状況はあまりよくない
そこでだ、一つ俺から提案をしてみた。ヒッチハイクなんてどうだろうか?
ただ、おれが読んだガイドブックによるとNZでのヒッチハクは日本でやるより難しいとか
それは人口が圧倒的に少ないから(400万にちょっと)、必然的に車の通る数も少ない、そしてここは山道である、確かにさっきから10分以上車が通らない
それでも次来たらとめてみようよと嫁と相談しながら歩いていた
「所でヒッチハイクってどうやって車止めるんだっけ?」「え~と確か親指を・・・」
「あっ、親指を下に下げるんだっけ?」「違うよ、親指を上に向けるんだよ。下に下げたら地獄に落ちろって意味にならない?」
「じゃー上に向けたら天国に昇天しちまなって意味にならないか?」
と、ヒッチハイクなんてした事ない俺たちは、どうやって止めたらいいか揉めていたら、後ろから白の綺麗な日産車が走ってきた
取り合えず地獄より天国の方がいいだろうと言う事で「天国に昇天仕上がれ」の親指を二人で立てて道路脇に構えた
目の前を大量の砂埃を上げながらそのまま去ってくかと思いきや、あっ、とまった!!
乗ってたのは白人の夫婦らしく、事情を説明しようとしたら、その前に既に後部座席の荷物を片付け始め早く乗れと・・・
一発で成功したよ。さすがNZだぜ
でも話を聞くと彼らはカナダ人で休暇を使って遊びに来てるのだとかで、車はレンタカーだった
「日本の車はどうだ?」って聞くと、二人とも声を揃えて「ベリーナイス!」と
目的地も同じだったので、次のトレックロードまで連れて行ってもらった
これで時間を大幅に短縮できて、問題は一つ解決された
しかし、まだ俺たちには大きなプロブレムが残されていた
腹減った。。。本当に頭がふらふらするんだよ
重い荷物を背負って一日に10時間近く歩くから、本来なら4000~5000キロカロリーは摂取しないといけないのに、俺たちが今日摂ったカロリーはわずかに200前後
今思うと結構危険な状態だったと思う
キャンプ地に着く頃には、完全に体に力が入らなくなって、一切の会話も無かった
俺たちを元気よく優々と抜かしていった白人女性の太ももに、別の意味でかじりつきたかったよ
本日のテントサイト
俺たちの腹の中のようにガランとしていて、テントの中からはメロン色の海が望める、先客がテント一張りのみの最高のロケーション
にも関わらず、俺達の今日の夕食はカップ麺二つ・・・・
ふらふらとした体でテントを張って、あっと言う間にカップ麺を平らげた俺たちは、無駄な体力を消耗しないようにすぐに寝袋に体を滑り込ませた
横になると食べた直後にも関わらず、「ぎゅろろろろーーー」とムンクが叫んでるような音を立てて二人の腹の中から空腹の叫び声が、NZの海に響き渡る
悲しい協奏曲である
夜中の3時過ぎ、腹が減りすぎて目が覚めた
どうやら俺は焼肉とキットカットを食べる夢を見たようだ。嫁も目が覚めたらしく、肉じゃがの夢を見てたらしい
そんな時、隣のテントから人の声が聞こえてきた、まだ起きてるのか?
嫁が終に血迷ったか「私なんか食べ物もらってくる」といってテントを出て行った
「こんな深夜にやめておけって」って言ったんだけど、それでも嫁がテントを出て行った後には、何か貰えたらいいなって雀の涙程度の期待をしていた
なにやらごにょごにょと会話が聞こえて数分後、帰ってきた嫁の手には何も握られていなかった
嫁の話によると、もう今日は遅いから、明日の朝8時ごろに起きるから、そしたらご飯を炊いてあげるって言われたらしい
でも俺達にはバスがあるからそれまで待てないし、飴玉とかチョコ程度の物でよかったんだけど、それを英語で上手く伝えられなかったらしく、そのままYESといって戻ってきたらしい
向こうからしてみれば、夜中の3時に飯をねだりに来たクレイジーな東洋人が隣にいるって思わせて、さぞ薄気味悪かっただろうな
話してるとき、テントのドア閉めたままだったらしいから
案の定俺たちが出発する頃になっても、彼らはまだ寝てたから、諦めて俺たちは最後の行程を歩き始めた
途中疲れて寝転がったら、空に薄く張られた雲が、味噌汁に溶けるとろろに見えたよ・・・腹減った
それでも俺たちはこれを乗り切れれば、何でも好きなものを食べられるってのを原動力に、必死で歩いた
途中の山小屋に女性のDOCのレンジャーがいたから
「俺達昨日から何も食べてないんだよ」 「なんで?」 「食料が切れちゃって」って話したら、親切にも呆れながら、俺たちに食料をくれた
もらったのはライスクッキーっていって、水でふやかして食べるものなんだけど、腹が減ってた俺たちはそのままかじり付いた
誰もみてなくてよかった
少し塩辛かったけど、ライスに含まれている糖分がエネルギーとなって、体中を駆け巡るのを感じた
これで、歩ける
なんだか、俺の胃袋と食道の間に後光が差してきたぞ
こうして3泊4日に及ぶエイベルタスマンの奮闘も、周囲の人の助けによって、大きな事故もなく無事に踏破することができました












