名作です。
本作のポイントは、主人公であるヒカルが一人で戦っていない点です。囲碁の天才である藤原佐為が後ろにつきながら囲碁を売っているのです。
神の一手を極めるために藤原佐為はヒカルについていたと思われがちですが、実は違います。五冠を保有している塔矢行洋と藤原佐為の対局を見せるためにヒカルについていたのだと思います。
つまり、藤原佐為が現世に蘇ったのは、自らの欲望のためではなく、ヒカルを成長させるため、ひいては囲碁の歴史を紡ぐためだといえます。
ヒカルが囲碁を打っている理由としてこう語られています。
「遠い過去と遠い未来を繋げるため」
この年にして、ここまで達観できているとは驚きです。つまり、囲碁の歴史の一端に自分が乗ることに誇りを持って囲碁を打っている感じがします。
それに加えて、私が刺さった名言を紹介します。
「知っとるか?碁は2人で打つものなんじゃよ。碁は1人では打てんのじゃ。2人いるんじゃよ。1人の天才だけでは名局は生まれんのじゃ。等しく才たけた者が2人要るんじゃよ、2人。2人揃ってはじめて・・・神の一手に一歩近付く」
ヒカルで言うところの塔矢アキラです。これは、囲碁に限らず私達にも同じことが言えると思います。
仕事であれば同期とか、学生であれば同級生とかがライバルになれば、より成長していくことでしょう。
最後に伊角慎一郎の名言で締めたいと思います。
「目標だけどゴールじゃない。道はずっと続いている。」