クラシックピアノの世界を描くアニメ、「ピアノの森」についてのブログ。
コンクール経験はないまでも、小さいころからクラシックピアノの
世界に足を突っ込んでいた身でもあり、いちファンとしてブログに記録しています。
前回のコンクール予選でカイが落選したため、この第5話ではカイの演奏シーンは
ほぼありません。
しかし、森のピアノの寿命がとうとう尽きはじめたのか、鍵盤を押しても
カタカタという音しかしなくなります。
…まあ、現実的にはとうの昔にそうなっていてもおかしくはないのですが。
劇中、雨が降って森のピアノが雨ざらしになるというシーンがありました。
どうやら、今までは雨が降るとシートらしきものをかけていたようですが、
かけなかったために、ピアノはびちょびちょに。
この状態ですでにピアノ、かなりやばいんですが、まあそれはおいといて。
阿宇野との約束で出たコンクールでしたが、落選したことによって
カイはピアノを弾きたいという気持ちを強くします。
そのタイミングで森のピアノが弾けなくなり、カイはますます
ピアノへの気持ちを募らせていくことになります。
そんなカイとは対照的に、今回はコンクールの地区本選で演奏した
丸山誉子と雨宮修平にスポットライトがあたっています。
彼ら出てくる前、ほかの参加者の演奏はほとんど流れませんでしたが、
審査員のセリフからすると、どうやらみんな予選時のカイの演奏に
影響を受けてしまっているよう。
でもこれ、現実的にはたぶんないと思います。
なぜなら、コンクールに出場するような人にはちゃんと先生が
ついているから。
一時的に影響を受けたとしても、そこは先生が矯正して、
コンクール向きの演奏に仕上げてくるはずです。
さて、カイが天才ならば修平は秀才。生まれ持ったものではなく、
たゆまぬ努力によって完璧な演奏をめざす修平は、むろん本選でも完璧。
コンクールにふさわしい演奏で勝負します。
実際の修平の演奏、確かに非のうちどころのない完璧な整った
演奏でした。
一方、対照的だったのが、誉子。
カイの演奏に対して落第点をつけた審査員たちに挑むように
型にはまらない自由な演奏をします。
確かに、修平の演奏よりはのびのびしていました。
結果、修平は文句なしの優勝。誉子は特別賞をもらいます。
このときの審査員の言葉が印象的でした。
カイの演奏は点数がつけられない。そこがコンクールの限界だと。
コンクール向きの演奏というものが存在しているように、コンクールに
通るための奏法というか、テクニックというか、要するに点数が
取れるような演奏というのが存在します。
でも、コンクールに通るような演奏だけがいい演奏なのか、というと
そうではなく、本来演奏に点数をつけること自体、ナンセンスといってもいい。
とはいえ、プロのピアニストとして活動していくには、それなりの
経歴が必要ということも事実なので、結果、演奏という主観的なものを
客観的な点数というもので測ることになるのです。
修平のピアノは完璧だけど、悪く言えば彼の個性が表れていない演奏。
そのことはこの第5話で、安宇野がそれとなく示唆しています。
客観的にすばらしいけど、その人の個性が表れていない演奏をした修平と、
客観的には修平に劣るかもしれないけれど、自分らしく演奏した誉子。
その演奏の姿勢と結果が反比例するところが、なかなか厳しいところですが、
この「ピアノの森」を見ていると、音楽とは何か、ピアノを弾くとは
どういうことか、よくよく考えさせられます。