本当の幸せはどこにある?~ブルックリン | Cecilia's Diary

Cecilia's Diary

「聖セシリア」は、音楽の守護聖人。これにならって、音楽をはじめとする芸術や
伝統文化などを楽しみつつ、毎日を生き生きと過ごしている様子をつづります。
ライフワークとしてコーチングも勉強中。

久々に観に行ったのは、
1940年代後半のアイルランドとアメリカ・ブルックリンを舞台に
したハートフルな「ブルックリン」。

映像全体がソフトフォーカスがかかったような優しい色味で
レトロな雰囲気がなかなか味のある映画でした。

ストーリーは、利発で才能もあるのに閉鎖的な街で
くすぶっていたエイリシュが、会計士の姉のはからいで
アメリカ・ブルックリンで働く機会を得て、
生き生きと輝いていく、というもの。

時代が時代だけに、アメリカに渡る際に初めて乗った船で
船酔いに悩まされる場面が少しコミカルに描かれています。

また新天地ブルックリンでは寮で暮らすも同僚たちになじめず、
さらに慣れない仕事にいっぱいいっぱい。
姉からの手紙を読んでホームシックにかかり、
泣き崩れる毎日。

私自身はずっと都市圏内で育ったので実感はありませんが、
時代が変わっても、遠く地方から都会へ出てきた女性なら
こういう経験をしたことはあるんじゃないでしょうか。

そんなエイリシュも、少しずつブルックリンでの生活に慣れ、
新たな挑戦のために簿記を習い始め、さらには恋人もでき、
毎日の生活が輝いていきます。

ブルックリンへ来た当時は、ほとんど化粧っ気もない
素朴な田舎娘だったエイリシュが、時を経るに従い、
どんどんきれいになっていく様子が、
彼女の生活がどんどん潤って、充実していくことを物語っています。

そんななか、最愛の姉を突然失い、故郷へ戻るエイリシュ。
再び戻った故郷で彼女を待っていたのは、
かつて住んでいたときには望んでも得られなかったもの。

本当は、この故郷の地で仕事を得て、結婚し、
幸せに暮らしたかった。
それがかなえられなかったからブルックリンへと渡ったのに、
皮肉にも戻ってきた彼女は、そんな夢見た生活が実現できそうな機会。
そして、故郷にたった一人残された母親も、娘にそういう生活を
してほしいと望んでいることは、誰の目から見てもわかります。

ブルックリンで生活することを決め、故郷には一時的に戻るつもりだった
彼女の心は揺れます。

映画の中でエイリシュが一時的に故郷に戻ってきているだけなのに、
なかなかそのことを宣言しないことにイライラしたのですが、
そのワケは、本当は故郷を離れたくなかった、故郷を愛していたからなんですね。

ところが、ある事件から、彼女はブルックリンへ帰る決心をし、
元の生活へと戻っていきます。

これ、一見ハッピーエンドなのですが、私としては
このあと、エイリシュがどうなるんだろう、本当にこの選択が
彼女にとって幸せなんだろうか、と考えてしまいました。

簿記の勉強をしたからといって、大都会で希望の仕事に就けないかもしれない。
もし仕事でキャリアアップしたら、水道管工事をしている恋人と
話や価値観が合わなくなって、別れてしまうかもしれない。

それならば、故郷で依頼された仕事をし、出会った男性と
いっしょになったほうが彼女にとって幸せだったのではないか…。

そんな思いがめぐって、ラストシーンでは手放しでは喜べませんでした。

人生とは、選択の繰り返しだし、その結果は誰にもわからないのだとつくづく思いました。