映画「タイピスト!」を観てきました。
もう予告編を観たときから、キュートな女のコ、ローズにひかれて
絶対観ようと心に決めてました。
時は1950年代のフランス。
女性の花形職業だった秘書になろうと田舎からやってきたローズは
ルイが経営する保険会社で仕事を得ますが1週間の見習い期間ののち、
クビを言い渡されるハメに。
ドジで不器用なローズは、ルイから秘書失格と言われますが、
実は彼女、タイプライターを打つのが早いという唯一の特技がありました。
(しかも一本指で!)
ほかにはなんの取り柄もないけれど、タイプの腕を見込んだルイは、
クビ撤回の条件として、タイプライター早打ちの大会に出ろと申し渡します。
そこから大会優勝をかけて猛特訓がスタート。
このあたりのストーリーが、オードリー・ヘップバーン主演の映画
「マイ・フェア・レディ」をほうふつとさせます。
ローズの大会優勝をめぐって、ルイが親友のボブと賭けをするところも
ヒギンズとピッカリング大佐がイライザが上流階級の女性に間違えられるところまで
成長するか否かを賭けたシーンとリンクします。
ローズは大会での優勝をめざし、下宿を出てルイの家に住み込みで訓練を受けます。
この特訓の様子がとてもほほえましい。
一本指打法(?)から5本指打法に切り替えるために
アルファベットの位置を色別に分けたテキストを与えられ、
指ごとにその色のマニキュアを塗って特訓したり、
あらゆる種類の文学の本をまる写しで打ち込んで
文章の終わりを推測できるようにしたり、
タイプを打ち出す紙をセットする時間を縮めようとしたり、
タイプする指を鍛えるためにピアノを習ったり…。
ルイは人の才能を見つけ、それを伸ばしてあげることが自分の使命であり、
喜びだと感じて一生懸命ローズをしごくのですが、
スクリーンのこちらで観ていると、それは明らかにローズへの好意。
相手に恋愛感情も持たずに、あれほど一生懸命ローズに肩入れできるはずが
ないだろーが! と突っ込みを入れたくなるのですが、
当のルイはそのことに気づこうとしません。
猛特訓を続けるうちに、ローズにほうはルイに好意を持っていることが
明らかになりますが、二人の距離は縮まらず、鬼コーチと生徒の関係のまま。
でも地方大会の決勝戦でわざとローズを怒らせて優勝させたりと、
ルイは鬼コーチのフリをして献身的にローズを支えます。
地方大会で優勝、さらにはフランス大会で優勝を! というときに
二人の関係に変化が起こります。
でも、フランス大会で優勝を勝ち取ったローズに対し、
ルイは身を引いてしまいます。
自分のそばにいるより、もっといい環境へ移るほうが彼女のためだと言って。
ルイの元を離れて特訓を続け、いよいよニューヨークでの世界大会へと進出。
ここでも予選を勝ち抜き、決勝戦まで進んだローズに
強敵が立ちはだかります。
ピンチの彼女を救ったのは、やっぱりルイ。
決勝戦直前のローズにルイが言ったセリフがなかなかいいです♪
実際に1950年代にタイプライターの早打ち大会というものが
存在したらしいのですが、決勝戦の模様は
観ているこちらもハラハラ、ドキドキ、息をのむような緊張感がありました。
この映画の制作陣は、「オーケストラ!」「アーティスト」などを手がけたとあって、
映像が美しくちょっとレトロな感じ。流れる音楽もタイプライターを打つ音を
取り入れたチャチャチャが流れたりして、オシャレでおちゃめな雰囲気で
こういう感じの映画は、大好きです。
タイプを打つこと以外になんの取り柄もないただの女のコが、
ただひたすら唯一の才能をみがいてついには世界一の早打ちタイピストになる
ただそれだけの話なんですが、
どんなちっぽけなことであっても、自分のとって唯一の強みをとことん徹底的に
やり続けていれば、それはその人にとっての最大の才能になるんだよ、という
メッセージを映画からもらって、観終わったあとに、
もりもりとエネルギーがわいてくる感じがしました。