ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン音楽祭にはここ最近
毎年聴きにはいっていますが、
全3日間毎日通ったのは、今年が初めてです。
なぜかというと、やはり今までとはLFJに対する情報量が圧倒的に
違うからでしょうか。
昨年から受講している丸の内朝大学LFJクラスの
講師の方々が実際にナントのLFJに行っているので
ダイレクトに情報がもらえるし、
今年は、ソムリエクラシクサロンにも2回参加して
LFJに出演するアーティスト情報などをたっぷり仕入れたので
あれもこれも聴きたい!とチケットをバシバシ取っていたら
3日間全20公演を聴きたおすことになりました。

1日目は、ベイルート出身のピアニスト、アブデル・ラーマン・エル=バシャさんの
ラヴェルのピアノ・ソロ曲全曲演奏1からスタート。
彼のピアノ演奏は、初めて聴きますが、ガラスのような硬質で透明感のある
ラヴェルの透明感より硬質さが際立った演奏でした。
3日目にもラヴェルのピアノ・ソロ曲全曲演奏3を聴きましたが、
間の取り方などがとても独特なので、かつて自分が演奏した「ソナチネ」も
「あれ、こんな曲だった?」と一瞬困惑するくらい、
耳慣れた曲とは違った曲に聴こえました。
次に聴いたアンサンブル・アンテルコンテンポランの「音楽の冒険」も
なかなか斬新。ブーレーズの「シュル・アンシーズ」は
3台のピアノ、3台のハープ、3台の鍵盤打楽器(マリンバやチェレスタなど)
のための曲ですが、ものすごく層の厚い音楽であるとともに、
ピアノ、ハープ、鍵盤打楽器と、それぞれ弦をはじいたり鍵盤をたたいたりと
関連のある楽器なので、微妙に違う音色がさまざまに折り重なって
とても不思議な世界感にひたりました。
1日目は、朝大のフィールドワークもあり、
ジャズっぽい雰囲気もあるトゥリーナ「交響的狂詩曲」と
「火祭りの踊り」が有名なファリャのバレエ音楽「恋は魔術師」。
この「恋は魔術師」は、通常のバレエ音楽ではなく、
最初にファリャが作曲したときのオリジナル譜によるもので
フラメンコ歌手のアントニア・コントレラスさんのナレーションと歌が入る
珍しい演奏を聴きました。
この演奏、実は2日目の同公演のチケットを自腹で取っていたので
2回聴くことになりましたが、2回聴くことでじっくり味わうことができました。
今年のフィールドワークは2公演聴けるというオトクなもので
もうひとつは、フェイサル・カルイ指揮によるラムルー管弦楽団の演奏で、
サティ(ドビュッシー編)「ジムノペティ第1番、第3番」と
ドビュッシー「牧神の午後への前奏曲」、「海」を聴きました。
カルイさんの指揮は、ホントに踊るようにかろやか。
指揮しているんじゃなくて、指揮台の上で腕だけダンスしているみたいでした。
予定にはなかったアンコール曲としてビゼーの「カルメン前奏曲」も演奏。
カルイさん、客席に向かって手拍子の指導までしてくれて
とってもおちゃめでチャーミングな方でした。

その後、ちょっとおとなしめの美しいケクランを演奏する公演や、
プーランクの「黒人狂詩曲」という曲名だけでチケットを買ったら
「オノルル」と連呼する声楽曲でちょっとびっくりした公演を聴き、
ラストは小曽根真×塩谷哲による「パリ×ジャズ」。
小曽根さんのピアノはこのLFJでファンになったようなもので、
ここ最近必ず聴いています。
ラヴェル「ピアノ協奏曲」から第2楽章(小曽根さん)、
グラナドス「アンダルーサ」(塩谷さん)
ラヴェル「クープランの墓」(小曽根&塩谷さん)
塩谷哲「Valse」(小曽根&塩谷さん)
チック・コリア「スペイン」(小曽根&塩谷さん)
小曽根真「2台の可愛いフレンチ・カー」(小曽根&塩谷さん)
を演奏してくれました。
もちろん、どの曲もジャジーなアレンジがされてます。
とにかく、二人ともとっても楽しそうに演奏していて
ノッくると足でもリズムを取りながら演奏する姿を観ていると
聴いているこちらもワクワクしてきます!
2日目は、クープランやラモーなどフランスのバロック音楽からスタート。
ラモー(コレット編)のオペラ「優雅なインドの国々」より
「未開人」という曲がおもしろかったです。
そして、ファイナルコンサートまで待てずに
カスタネットおばさんこと、ルセロ・テナさんと
フェイサル・カルイ&ラムルー管弦楽団による
ヒメネス「ルイス・アロンソの結婚式」より間奏曲
(カスタネットとオーケストラのための)
を聴きました。
圧倒的なカスタネット奏法で、会場がわきました!
LFJが始まる前に、You Tubeで何度も演奏を聴きましたが
やっぱり、生演奏はスゴイ!
じぇじぇじぇ、かっけー!(←NHK朝ドラ「あまちゃん」風)
って感じでした。

同じ公演で演奏されたアンヌ・ケフェレックさんの
サン=サーンス「ピアノ協奏曲第2番」もなかなかでした。
次は、LFJクラスでも前評判の高かった、マリー・カトリーヌ・ジローさんと
弦楽四重奏の室内楽。
このあと、ジローさんのピアノ・ソロ演奏も聴いたのですが、
最初、このコンサートのチケットが取れず、おさえで取ったのがこの室内楽。
アーンという現代作曲家の作品でしたが、ジローさんの演奏、
なかなか迫力がありました。
その後、1日目のフィールドワークと同じ
「恋は魔術師」などの演奏を聴き、再びジローさんのソロ演奏を聴きました。
これもなかなかよかったです。
華麗なモーツァルトとも思えるジャダンという古典派の曲が
ステキでした。
ラヴェルの「水の戯れ」も硬質ななかに柔らかい水の流れが
うまく表現されていて感動!
そして夜は、フラメンコ・ギター奏者、カニサレス率いる
カニサレス・フラメンコ六重奏団による「魂のストリングス」と題した
フラメンコ音楽の数々を堪能しました。
途中で、フランメンコの踊りもあって、魅せられました。

さらに2日目のラストは昨年もわきにわいた
渋さ知らズの「パリ×キャバレー」!

今回は、フランス音楽ということで、
ミヨーの「屋根の上の牡牛」やラヴェルの「ボレロ」
そしてエディット・ピアフ(だったかな?)の「ラ・ヴィアン・ローズ」などを
渋さ知らズ風バージョンで派手派手に演奏してくれました。
もうまさに熱狂の渦に巻き込まれたみたいで興奮して帰途につきました。
最終日の3日は、コンサートの前にまず展示ホールへ出向いて
キッズ・プログラムの「カスタネット・マジック!!」を聴きました。
日本カスタネット協会(というのがあるってはじめて知りました!)が
小学生以上の子ども向けに開催したものなのですが、
その最後に特別ゲストとしてルセロ・テロさんが登場。
無伴奏のソロで、カスタネット演奏を即興で聴かせてくれました。
その後、ポーランドのアーティスト、マリウシュ・ヴィルチンスキさんの
ライブ・ドローイングとともにサン=サーンスの「動物の謝肉祭」室内楽版を
聴きました。
このライブ・ドローイング、途中で動画などもはさんでのものでしたが、
なかなかシュールな絵でした…。
(フランスの子どもにはウケたらしいですけど…)
続いてはプーランクの「子象のババール」。
昔、これが聴きたくてCDを買ったのですが、これが生で聴けるとあって
チケット取りました。
短いストーリーを語るのは、俳優の石丸幹二さん。
お話に沿って音楽が流れるのっていいですねー。
その後は、ベルリオーズが吹奏楽のために書いたという序曲「ローマの謝肉祭」と
「葬送と勝利の大交響曲」を聴きました。
これが意外とカッコよくて聴き得でした。
エル=バシャさんのラヴェルを聴いたあとは、
いよいよLFJのフィナーレへ。
まずは、ヴォックス・クラマンティスによるグレゴリオ聖歌や
グレゴリオ聖歌をもとにしたプーランクやメシアンの曲と
勅使河原三郎、佐東利穂子による踊りのコラボレーション
「パリ×ダンス」でア・カペラの静謐な美しさに触れたあと、
ファイナル・コンサート「パリの花火」へ。
ここでも、カルイ&ラムルー管弦楽団が登場。
ファニー・クラマジランのヴァイオリンとともに
サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」から始まって
カニサレスさんのロドリーゴの「アランフェス協奏曲」から第2楽章、
そしてラストは、ルセロ・テナさんのヒメネス「ルイス・アロンソの結婚式」より
間奏曲!
テナさんの演奏に、客席は大盛り上がり!
このあと、ビゼーの「カルメン前奏曲」を演奏してくれましたが、
あまりの熱狂ぶりに再度演奏してくれました。
何度も何度も熱い拍手が起こり、
最後は、テナさんがソロでカスタネットを演奏してくれる大サービスぶり。
会場も興奮の渦につつまれてファイナル・コンサートは幕を閉じました。
あまりの興奮ぶりに、しばらくこちらも熱がさめず、
しばらくしてから祭りが終わったんだなあ、と実感。
こんなにたくさん音楽を聴きまくったのは、
2年前の横山幸雄さんのショパン全曲演奏のマラソンコンサート以来でしょうか。
いや、ホントに私にとっては有意義な連休でした。
また来年が楽しみです!