
〈てきとーあらすじ〉
「2010年7月24日0時1分~23時59分までに撮影された動画を、You Tubeに投稿しよう!」という告知からこの映画は始まった。世界中の誰もが、どんな映像を撮影して投稿してもいい訳だ。
すると、全世界192カ国から約8万件の動画が集まったそう。
その中から選ばれたいくつかの映像を、1日のタイムラインに沿ってつなぎ合わせていったら一つの作品になりましたよーというもの。
〈レビュー〉
※この映画は、ストーリー性のあるものではないですが、ある意味ネタバレのような箇所が含まれています。
2010年7月24日の深夜からこの映画はスタートする。
寝てる人、バイクに乗る人、祈りを捧げる人、オーロラ。全てがいつもの日常だ。
それがどこの国の出来事なのかは、言語や風景などからこっちで勝手に感じ取るしかない。
最初は、テロップで「どこの国」って出してほしいなあと思ったけど、どこの国だとかってあんまり関係なくて、「とにかく地球上のどっかの出来事なんだからそれでいいじゃない」というような意図がみえてきたような気がしました。
世界はひとつ、というメッセージなのかな。
上手い具合に時系列になってるかという期待がありましたが、約90分にまとめているので、まあ「だいたい」という感じ。
映像のつなぎかたは、世界中色んな人の「目覚めの瞬間」「食べるところ」「出産」「ポッケの中身」などを短くつなぎ合わせたものと、ある人の日常のワンシーンを切り取ったもの、大きく2種類に分かれます。
日常のワンシーンについては、どんな人がどんな状況で撮影したものかパンフレットに書いてありましたが、それ以上でも以下でもなく、まさにそのまんまです。
良くも悪くも、下手な小細工・演出一切なし。
日本人の映像は、カメラマンの父と幼稚園くらいの子供のいつもの朝。
亡くなった母親の遺影に手を合わせ、お線香をあげて「お鈴」を鳴らす。
(みちくさ)
「仏壇 ちーん」で検索したら「お鈴」って出てきました。あれの名前初めて知ったわ。おりん。
(みちくさここまで)
自転車で世界を旅して9年、という韓国の青年が印象的。南北統一の願いを馳せつつ、自分の無力さも感じている様子。
世界を知ること、様々なものを体験することで、大きな事を成し遂げる人になれそうな気がするという気持ちは理解できる。そして無力と希望の間を模索し続けるのかもしれない。
そのほか、ガンの治療をする母とその家族や、靴磨きの仕事をする少年、大好きなおばあちゃんに電話でゲイのカミングアウトをする青年、告白しようと思っている女の子とのデートを実況するオタクっぽい男の子、スカイダイビング、ヤギの放牧、とにかく貧しくても希望を持ってる一家…
子供の頃、自分中心に世界がまわっているような気がしたけど、そうじゃないんだって気づく時がくる。これって、誰でもそうなのかな?
それでも、自分の周り以外は見えないからやっぱり現実味がなくて、自分の範疇以外で物事を考えることは難しい。
だけど、今ってyou tubeで簡単に世界中の映像を見て、色んな情報を知ることができるんだよなーそれが、世界をつなぐもの、世界平和につながるのだろうか。なんて思ったり。
ラスト、女の子が嵐の中、車の中で語っていたことが、この映画のテーマなのだと思います。
彼女のセリフを書くとネタバレとなりますが、パンフレットにがっつり書いてあったからいいんかな、と解釈して書いときます。
「この映画のために、今日何か凄いことが起こればいいと考えていた。
誰の人生でもいい事があるって世界に示したかった。
でも、もう一日が終わりそうなのに、凄いことなんて何も起こらなかった。
自分が特別な存在だとは思っていないけど、私の存在を知ってもらいたかった。
平凡だって分かっているつもり。
…何も起こらなかったけど、今夜は、なぜか特別な夜に感じる」
この映画のエンディングを飾った作品を撮ったわけだから、彼女にとってはほんとうに特別な夜になったのかもしれない。
だけど、すごいことが起こるかもとか、夢みたいなことがあればいいなって願いながらも、ほとんどがなんでもない日常になるのは当たり前のことだ。
それをあ~あ、、って残念がるのでなく、一日一日に希望をもって過ごせたらしあわせなのだ。
全ての日常に、感謝。
映画って、観る人によって全然違う感想になるけど、この映画は特に、そうなのかもしれません。
自分だったらどの日常、どの瞬間を撮ろう。
と、思ったけど、やっぱり日常は人に見せるより、ひそかに幸せを感じるものにしときたいです。
〈控えめなつもりの星〉
★★☆☆☆





