筋緊張亢進の判別方法 | アレルギーとたたかう理学療法士 及川文宏のブログ

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日本アレルギーリハビリテーション協会 代表
福のしま研究会 会長
アレルコア 代表 理学療法士のブログです。
喘息、アトピー、蕁麻疹、慢性鼻炎などのアレルギー症状に対して、理学療法士である自分がどのように介入していくのかを書いています。

アレルギーとたたかう

理学療法士

及川より

 

 

先日、山梨で

 

「自律神経の評価と治療」

 

というタイトルで研修会を

 

開催させていただいた際

 

最後の質疑応答にて

 

受講生の方からの質問に

 

明確に答えられませんでした。

 

 

 

その質問は以下の様なものでした。

 

 

【質問内容】

 

筋緊張が亢進している患者さんにおいて

 

脳卒中(梗塞や出血)による影響

 

自律神経の問題(交感神経の亢進)による影響

 

どちらなのかを判別する方法は

 

ありますでしょうか?

 

 

 

山梨では、明確に答えられなかったので

 

いろいろ調べて、自分の中でまとまったので

 

先ほど、受講生の皆さんにメールにて

 

回答を送りました🍀

 

 

 

せっかくなので

 

ブログを読んでくださっている方にも

 

シェアしたいと思います。

 

 

画用紙にまとめて書きました!!

 

 

これだけじゃ、

 

さっぱり分からないですよねww

 

ちゃんと文章で以下に書きます。

 

 

 

【及川の回答】

 

結論から、お伝えすると

 

「脳卒中による筋緊張亢進の特徴」

 

「交感神経の亢進による筋緊張亢進の特徴」

 

を理解し、判別するのが

 

良いと思います。

 

(これだけ聞いたら、当たり前のことですねww)

 

 

加えて、

 

・上位運動ニューロン障害の検査

 

・自律神経の問題を検出する検査

 

この二つを行うことで、

 

どちらの影響が強いのかを

 

判別することができると思います。

 

 

また、

 

脳卒中後の患者さんであれば、

 

二次的(もしくは発症前から)に

 

自律神経のトラブルを抱えている方も

 

いるかと思います。

 

その様な患者さんは、

 

どちらも混在していると思います。

 

その様な場合には、

 

どちらの検査にも引っかかり、

 

影響は程度の差を

 

判別することになるかと思います。

 

 

 

 

ここからは、具体的な話となります。

 

・脳卒中による筋緊張の亢進について

 

痙縮と固縮という形で認められる。

 

この二つの特徴を知り判別する。

 

[痙縮spasticity]

 

 急激な受動運動に際して、抵抗を示す。しかも運動のはじめは抵抗が大であるが、あるところまで動かすと急に抵抗が減じ、折りたたみナイフのような感じとなる。受動運動の速度で抵抗が変わり、速く動かすほど抵抗も大きくなる。

 侵される筋は選択的で、屈筋か伸筋のどちらか一方である。また、受動的に四肢の位置を変えても、元の位置に戻ろうとする。痙縮は錐体路障害によって出現するので必ず他の錐体路症候を伴っている。

(錐体路徴候:筋萎縮を伴わない痙性麻痺、腱反射亢進、バビンスキー反射の出現、腹壁反射の消失)

 

[固縮(強剛、硬直)rigidity]

 

 固縮では、屈筋も伸筋もたえず緊張が亢進している。受動運動に際しては、運動が行われている間、抵抗があり屈伸両方向に抵抗が生じる(鉛管様固縮)。
 パーキンソン病の場合には、歯車様固縮が認められる。 

 

 

・自律神経トラブル(交感神経亢進)による筋緊張亢進

 

自律神経を評価する項目(筋緊張以外)を

 

評価し、交感神経が過剰に働いている状態か

 

どうかを評価する。

 

→脈拍・血圧・呼吸数・汗・体温など

 

(例えば、動いていないのに脈拍や血圧が高かったり、汗をかいたりするなど)

 

 

加えて必要に応じて以下の検査も用いる

 

[自律神経機能検査]

 

・起立試験 

 患者を約10分間安静臥位にして、脈拍数と血圧が安定したら起立させて、1分ごとに5分間、脈拍と血圧の変動をみる。平均動脈圧20mmHg以上の下降は異常である。

 

【※及川の考え】

 上記の理学的検査法は、どちらかというと交感神経の反応スピードの評価となっていると思うので、運動後の血圧の下降の程度(運動していない安静時の血圧に戻るまでの時間など)を計測する方が、交感神経の働きが過剰になっている状況を知ることができるのではないかと思っています。

 

 

・アシュネル眼球圧迫試験

 患者に閉眼させて、一方の眼球(反応が弱ければ両眼)を眼瞼の上から指で中等度に10〜15秒ずつ、3〜4回繰り返して圧迫する。これにより三叉神経末梢が刺激され、反射的に迷走神経が興奮し、脈拍が減少したり、悪心、嘔吐を伴うことがある。

 判定:脈拍減少10〜19(+)、20〜29(++)、30以上(+++)、心拍が数秒停止し、悪心、嘔吐などがある場合(++++)、副交感神経系の過敏を示す試験。 

 

【※及川の考え】

 この試験を交感神経の亢進による筋緊張の亢進と結びつけるのであれば、この試験をすることで、一時的に副交感神経を高め、筋緊張が落ち着くかどうかを評価してみるのも一つの方法かと思います。ただし、気分不快を起こす可能性のある試験であるため、できるだけこの方法は用いない方が良いと思います。

 

 

その他の理学的検査方には、以下の様なものがありますので、興味のある方は調べてみてください。

・ヴァルサルヴァ試験

・寒冷昇圧試験

・皮膚紋画

・薬物学的検査

 

参考文献:ベッドサイドの神経の診方 第6版

     やさしい自律神経生理学

 

 

質問に対する答えになっているでしょうか。



加えて質問やご意見のある方は、

 

このブログにコメントされるか

 

私のFacebookにコメントいただけると幸いです。

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

 

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及川文宏 理学療法士

 

日本アレルギーリハビリテーション協会 代表

  Mail:allergy.rehabilitation@gmail.com

福のしま研究会 会長 

アレルギー専門整体院『アレルコア』 代表

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【研修会案内】

 

 

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日時:2017年7月30日(日)
 10:00〜16:00

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申込:下記のブログよりお申込みください。

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日時:2017年8月9日(水)    

 21:30 〜 22:30 

詳細:ブログよりご確認ください。

 

 

 

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 ① 9月30・10月1日(土・日)

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『アレルギーセラピストコース Basic1〜4』in 福岡

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 11月から月1回(土・日)ずつの全4回
※お申し込みはまだ開始しておりません。

 今しばらくお待ちください。