管理人を務める公開FBグループ"鎌倉ムービーラバーズ"では、現在"映画・ドラマの中のベストカップル"をネタにおしゃべりしていますが、こちらでは実生活でもカッブルの俳優達について書こうと思います。
ずうっと昔のことなので記憶がさだかではないのですが、「ロミオとジュリエット」でジュリエットを演じたオリヴィア・ハッセーが、「撮影中は(ロミオ役の)レナード・ホワイティングと恋に落ちていて結婚まで考えていたが、撮影が終わるとまったくその気がなくなっていた」と語ったと聞き、なるほど演じる(役を生きる)とはそういうものなのだろうな、と納得したものでした。
確かに恋人同士の役での共演をきっかけに結婚、あるいはその後も続く恋愛関係に至る例は多いようです。
スターの私生活にはうとい自分の知る限りでも、ローレンス・オリヴィエとヴィヴィアン・リー(「無敵艦隊」で共演)、鎌倉ムービーラバーズで推したハンフリー・ボガートとローレン・バコール(「脱出」)、リチャード・バートンとエリザベス・テイラー(「クレオパトラ」)、やはりベストカップル推しのスティーブ・マックイーンとアリ・マグロウ(「ゲッタウェイ」)、ウォーレン・ベイティとアネット・ベニング(「バグジー」)などが共演後に結婚した例。
結婚には至らなかったものの恋愛関係となり、その後の共演作も多い例としてはアラン・ドロンとロミー・シュナイダー(「恋ひとすじに」で初共演)、クリント・イーストウッドとソンドラ・ロック(「アウトロー」が初)があります。
”ブランジェリーナ"としても知られるブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーも「Mr.&Mrs.スミス」をきっかけに交際・結婚・離婚に至ったようですが、その後の共演はないようです。
時には数か月にもおよぶ撮影中、相手を恋する感情、愛する気持ちを維持し続けようとすれば、実際に大切なパートナーとして考えるようになるのはむしろ自然かもしれませんね。
上述の例では、マックイーンとマグロウを除くカップルがすべて再共演を果たしています。恋愛の対象、人生の伴侶としてだけではなく、仕事上の実力あるよき相棒としても認め合っていたということなのでしょう。
複数回共演している夫婦俳優ということであれば、結婚してから共演するようになった例もあります。
Wikipediaで調べただけなので前後関係は少々心もとないですが、イヴ・モンタンとシモーヌ・シニョレがそうでしょうか。共演作品は「真夜中の刑事/PHYSON 357」しか観ていませんが、1951年に結婚したあと「サレムの魔女」(1957)ほか数本で共演しています。ただし、「真夜中の刑事」でそうだったように、必ずしもカップル役ではないようです。
同じタイプの俳優カップルで一番好きなのがチャールズ・ブロンソンとジル・アイアランド。ジルは「ナポレオン・ソロ」のイリヤ・クリヤキン役でブレイクしたデヴィッド・マッカラムとの離婚後、ブロンソンと3人の子連れ同士で結婚、二人の間にも1児をもうけ、彼女がいまどきでは若すぎる54歳で亡くなるまで添い遂げました。
二人が結婚したのは、米国では助演が多かったブロンソンが口ひげをたくわえアラン・ドロンと共演した「さらば友よ」あたりから、ヨーロッパで頭角を現し始めた1968年。ブレイクしたブロンソンが主役になった「雨の訪問者」「夜の訪問者」でのジルは脇役でしたが、殺し屋映画の秀作「狼の挽歌」で堂々の主役を演じ、二人の愛憎がストーリーの核となりました。
その後も二人は何度も共演を果たしており、俳優カップルとしては最多の共演数かと思いますが、その中で「狼の挽歌」と同じくらい好きなのが「正午から3時まで」。シリーズにもなった「狼よさらば」などこわもてのタフガイを演じることが多いブロンソンが小狡い強盗を演じた西部劇で、ジル・アイアランドが品格のある演技をみせ、演技もできる俳優であることを証明しています。
夫婦あるいは恋人同士で複数の作品で共演し、素晴らしいコンビぶりをみせた上に仲も良かった(と思われる)俳優カップルとしては、チャールズ・ブロンソンとジル・アイアランドが僕のイチオシです。
※記事トップの写真は「狼の挽歌」。文末写真は「正午から3時まで」。