ナイブズアウト 名探偵と刃の館の秘密 Knives Out (2019) ☆☆ | 映画の楽しさ2300通り

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久々に新しめの映画も観てみようと評判の良い本作を選んだら、これが大当たり。伝統的な英国ミステリー風のセッティングとストーリー展開に、現代のテクノロジーをうまく組み合わせた、本格的ミステリーの醍醐味を味わいました。

ダニエル・クレイグは、ジェームズ・ボンドの枠に収まらない達者な役者ぶりを見せ、自分のようなクラシックファンには嬉しいクリストファー・プラマーサウンド・オブ・ミュージックサイレント・パートナー)、ジェイミー・リー・ジョーンズハロウィンブルースティール)、ドン・ジョンソン(TV版マイアミ・バイスティン・カップ)らの演技合戦も見もの。
アナ・デ・アルマスクリス・エヴァンスキャサリン・ラングフォードジェイデン・マーテルら、若い(といってもエヴァンスはアラフォーですが)俳優たちも強い印象を残しています。
クリス・エヴァンスはこれも最近観た「スノーピアサー」の主役でしたが、役柄もあって同じく主役級のソン・ガンホ、敵役エド・ハリスより影の薄い感じでした。今回も「ベン・アフレック?」と思ってしまいましたが、マーベルのシリーズでキャプテン・アメリカを演じているのでなじみの方も多いのでしょう。
新旧押しなべて好演の演技陣の中では、なんといってもアナ・デ・マルテスが魅力的。優しい人柄から流されやすそうに見えてその実プロフェッショナルで芯が強く勇敢なヒロインのキャラクターを巧みに演じました。

ともかく「アガサ・クリスティの推理小説を思わせるようなミステリ映画を撮ってみたい」と発言した(Wikipediaより)ライアン・ジョンソン監督の脚本が上手い。ヒロインのアナが「嘘のつけない人」であるという設定を巧みに利用して、サスペンスだけでなくユーモラスな側面も盛り上げています。

本格ミステリーなので、少しでも面白さをスポイルしそうなネタバレはここまで。評価の高さから続編の撮影も開始されたとのことですが、面白かっただけに1作目を超えられるか?が心配です。

 

※アナはダニエル・クレイグ版ボンド最終作「ノー・タイム・トゥ・ダイ」にも出演しているとか。ちょっと観たいかも。