カミサマネジマキ――マキちゃんのつぶやき。 | 墜落症候群

墜落症候群

墜ちていくというのは、とても怖くて暗いことのはずなのに、どこか愉しい。

 ――まあ、このお話は、私のお話みたいなものだ。

 徹頭徹尾、私が嗤って楽しむための物語。

 人間は皆違うけれど、皆共通の要素を持っている――それは皆愚かだってことだ。

 まあ当たり前の等価交換。願って求めて叶えれば、失われるものもある。それは当然の教訓と言えないだろうか?

 べっつに、私はそんな『当たり前』をわざわざ想い出させてあげてるだけの親切な『カミサマ』ですよ?

 それを嗤って楽しむくらい、別にいいじゃん。当然の鑑賞料みたいなものでしょう?



 私は、お気に入りのピンクのショートの美貌に、バーテン風の衣装を合わせる。――まるでカミサマには見えない。そこが気に入っていた。

 本物の私は、機械に繋がれた化け物だけれど、全知全能の神である私は、そんな偽物の身体にこだわる必要はない。

 ……でも、ああ。

 私が殺した科学者の首の骨の感触がまだ手に残っていて。

 それが私を『ゾクゾク』とさせ、駆り立てるのだった。



 また私は、誰かが破滅することを願った。

 それは甘美で。

 とっても魅力的に映えることだろう――。