判例は単なる攻撃の意思を超えて、積極的加害意思で攻撃に及んだ場合は防衛の意思を欠くとする。


「かねてから反撃者が侵害者に対し憎悪の念をもち攻撃を受けたのに乗じ積極的な加害行為に出た場合は、防衛の意思を欠く」


「防衛に名を借りて侵害者に対し積極的に攻撃を加える行為は防衛の意思を欠く」

偶然防衛の事案の場


防衛の意思必要説からは正当防衛不成立、不要説からは正当防衛成立。


なお、防衛の意思必要説からも、この場合に結果無価値に欠けるとして未遂犯の限度で犯罪を認めるべきとの見解がある。


事案:AはBをライフルで射殺したが、Aが発砲する直前、まさにBもAをライフルで射殺しようとしており、かつAはそのことを知らなかった。

 防衛の意思と攻撃の意思が併存しても防衛の意思を認めるのが判例


「もっとも、急迫不正の侵害に対し自己または他人の権利を防衛するためにした行為と認められる限り、その行為は同時に侵害者に対する攻撃的な意思に出たものであっても、正当防衛のためにした行為に当たると解するのが相当である」

 正当防衛の成立要件として防衛の意思を必要とするか、明文上明らかでなく問題となる。


 思うに刑法の目的が法益保護のみならず社会倫理秩序維持にもあることから、違法性の本質社会倫理規範に違反する法益侵害ないしその危険のことをいう

 とすると、正当防衛により違法性が阻却されるのは法の自己保全として社会的相当性を有するからである。

 そして行為主観と客観の統合体であるから、行為の社会的相当性を基礎づけるための主観的正当化要素として防衛の意思が必要

 また、正当防衛行為は興奮や逆上により反射的・本能的に行われることが多く、法もこのような場合も正当防衛行為として予定している

 そこで、防衛の意思の内容としては、急迫不正の侵害を認識しつつこれを避けようとする単純な心理状態のことをいう