正当防衛の成立要件として防衛の意思を必要とするか、明文上明らかでなく問題となる。
思うに、刑法の目的が法益保護のみならず社会倫理秩序維持にもあることから、違法性の本質は社会倫理規範に違反する法益侵害ないしその危険のことをいう
とすると、正当防衛により違法性が阻却されるのは法の自己保全として社会的相当性を有するからである。
そして、行為は主観と客観の統合体であるから、行為の社会的相当性を基礎づけるための主観的正当化要素として防衛の意思が必要
また、正当防衛行為は興奮や逆上により反射的・本能的に行われることが多く、法もこのような場合も正当防衛行為として予定している
そこで、防衛の意思の内容としては、急迫不正の侵害を認識しつつこれを避けようとする単純な心理状態のことをいう