裁判官の評価をまってはじめて意味が確定する構成要件要素


・わいせつ文書販売罪等の“わいせつ”性

・不真正不作犯における“作為義務”など

規範的構成要件要素についてはどの程度の認識があれば故意を認められるか。


 思うに故意責任の本質は犯罪事を認識し規範の問題に直面したにもかかわらずあえて犯罪行為に及んだことへの道義的非難


 とすれば、一般的にとって反対動機が形成可能な程度の事実の認識があれば足り、専門家的な認識までは不要


 そこで、犯罪事実についての素人的な意味の認識があれば故意が認められる

事例:Xは、隣のビルのマネキンを襲撃するつもりでライフルを発射したら、マネキンが実は人で人が死亡した。


 抽象的事実の錯誤がある場合、故意ありといえるか


 まず、発生事実が認識事実より重い場合、38条2項の適用により少なくとも重い罪の刑によっては処断されないが、条文上いかなる処理がされるべきか明らかでなく問題


 思うに故意責任の本質は、犯罪事実を認識し規範の問題に直面したにもかかわらずあえて犯罪行為に及んだことに対する道義的非難


 そして、規範は構成要件ごとに与えられているから、犯罪事実と発生事実が構成要件を異にする場合には規範の問題に直面したとはいえず、原則として故意は阻却される


 もっとも、異なる構成要件同士が実質的に重なり合う場合もあり、その場合は重なり合う限度で規範の問題に直面できる以上、重なり合う軽い故意犯が成立する


 そして、構成要件は行為と保護法益から成っているので、実質的な重なり合いがあるかは①行為態様と②保護法益の共通性により判断されるべきである

認識事実より発生事実が重い場合、軽い罪の主観にあるため、厳密には錯誤の問題ではないとして、軽い主観に対応する客観的構成要件該当性があるかを問題にすべきとする論者もいる。

発生事実より認識事実の方が重い場合は、38条2項の適用の問題ではなく、また純粋に錯誤・故意の問題である。