明けましておめでとうございます

 

第二次世界大戦後、沖縄が1972年5月の本土復帰までアメリカの統治下にあった琉球政府の時代に販売されていた、琉球民営会社のたばこパッケージ集をご紹介します。日本専売公社の製品ではなく、琉球島内に設立された民間たばこ会社の製品です。

 

アメリカ統治下の沖縄では、煙草の製造販売は日本専売公社の手を離れて琉球独自に製造販売を行っていて、島内で製造供給をする必要がありました。

 

琉球政府の意向では本土のように政府が製造販売を行う専売制を模索していましたが、自由経済の国であるアメリカの許可が下りるはずもありません。そこで民間主導のたばこ会社が設立されました。

 

 

戦後アメリカの統治下にあった沖縄では、1955年に最初の民営のたばこ会社が設立されてから、1972年の本土復帰まで煙草の製造販売は島内に設立された琉球民営会社が行っていました。4社が設立されましたが外資系の1社は半年で消滅し、3社がそれぞれ独自の銘柄を販売していました。

 

その銘柄数は60銘柄近くを数えます。また特別意匠煙草(記念煙草など)は126種が確認されています。さて、それらの煙草を販売していた会社名をあげると以下の通りとなります。

 
                 琉球煙草株式会社
                 琉球香港煙草株式会社
                 オリエンタル煙草株式会社
                 沖縄煙草産業株式会社
 
これら煙草会社の概要や銘柄、また沖縄における葉煙草の生産などの煙草産業については詳細に調査されており文献も用意されています。ところが実際に販売された銘柄のパッケージデザインとなると、全体を纏めたものは見受けられません。
 
これは復帰と共に煙草会社が消滅していることや、各社とも設立初期のパッケージの現存数が極めて少なく、纏めることが困難であることなどが理由として考えられるでしょう。
 
復帰当時の専売公社でも各民営会社の歴史や概況や生産量などは調査しましたが、それぞれのパッケージデザインについては纏める事は不可能でした。
 
発売から僅か3ヶ月で製造中止となった銘柄から、13年間製造され消費者に愛された銘柄まで様々です。また同じデザインでも包装形態、品名、社名の表示などが変化しているものが多く存在します。
 
このデザイン集では全社のパッケージを纏めています。包装形態や活字などの変化は並べて掲載し、その違いが分かるようにしています。本の後半にはリストも掲載しています。
 
 
 
            琉球民営煙草デザイン   ISSN 2188-5281
             定価 8,500円   送料 税 1,300円
 
                             オールカラー A4判 ハードカバー 134ページ
 
              2014年5月3日 第一版発行
              執筆者 渡邉保人  
              発行者 ALITALIA
              419-0201 静岡県富士市厚原1487‐22
                    アリタリア 
              メールアドレス(alitaliayasuto@yahoo.co.jp)
   
 
琉球煙草の喫煙経験をお持ちの方にはとても懐かしく当時を思い返していただけると思います。社名や地名などの活字の変化など、細かい変化も掲載していますのでコレクターの方にも参考にしていただけるでしょう。
 
また琉球煙草の存在をご存じない方にも、貴重な歴史の1ページとして、大切な沖縄の文化の一つと言えるこれらの煙草に興味を抱いていただけたら幸いです。
 

 

 

序文や解説を掲載しているページには1950年代の輸入たばこのパッケージをちりばめています。民営会社の設立される以前は、輸入たばこと米軍基地から流れてきた闇煙草の全盛期でした。

 

 

それぞれのパッケージにつては、民営各社ごとに分けてご紹介しています。

復帰まで経営が続いた三社の1ページ目、初期のパッケージのページを参考にご紹介します。

 

                   琉球煙草株式会社

 

 

 

 

 

                 オリエンタル煙草株式会社

 

 

 

 

 

                  沖縄煙草産業株式会社

 

 

 

 

 

       記念煙草は別項に分類しています。その最初のページをご紹介します。

 

 

 

琉球政府の納税証紙(封緘紙)が用意される以前は政府のゴム印が押印されています。そのゴム印のページです。活版や印刷は別に展示しています。

 

 

 

 

初期の頃の輸入煙草には納税済みの印刷も見られますが、輸入煙草専用の封緘紙が用意されています。これは1950年代で、1960年代になると廃止されます。

 

 

各社の初期の銘柄については当ブログのテーマ〈琉球煙草〉に掲載していますのでご参照ください。

 

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