とりあえず野球を知らない脚本家が一所懸命、野球を勉強して書いた。努力賞。でもプロの仕事に、努力賞なんかは、ないわな。

 

まずは、せめて打線の打順と、打者の右打ち左打ち、この回は誰がアウトで誰が走者として生きたか、ぐらいのテーブルは作って書こうよ……。

何だか、突然、今大会7割という(清原や松井でもどうよというぐらいの異常な高打率)4番打者が出てくるのな。

 

いよいよ大詰め、6対5で迎えた9回裏。これがまた、何の状況描写もないまま、いきなり無死満塁の場面からって始まる。どうよ(呆)。

挙げ句、一死満塁(だったかな。犠飛で同点の場面)で左中間かどこかに上がった打球を、外野手が見事スライディングキャッチ! 三走はハーフウェイで打球を見ていたからタッチアップできず……。二死満塁で次の子……。

これ、ちょっとあり得ないレベルの超ボンクラ走塁なんだけど。敗因レベル。フツーに三塁ベースに張り付いて打球の行方を追うわな。まあ、俺もプロの試合を何百試合も観りゃあ、1回か2回はあるか……。高校生ならあり得るか。あと一歩で甲子園っつうハイレベルの試合なんだけど。

同じようにギリギリのプレイって描きたいなら、例えば、内野手への強烈なライナーをダイビングキャッチ! 内野手が起き上がってどっかの塁に送球。走者はやっと帰塁。間一髪セーフ。二死満塁で4番打者。土壇場! それじゃ、ダメか。

 

だいたい、準決勝の強豪相手に、背番号10の控え投手が(地区大会で)初登板先発。まあ、これは百歩譲って、データがないだろうからと、裏をかいた。まあ、そこまではいいとしよう。

で、その準決勝で130球も投げた控え投手を、決勝戦でも先発させるのな。全く意味がわからない。エース(背番号1)を干したいのか。

さらに試合中盤、背番号10に疲れが見えてきましたって、失点。あらら。0-0の投手戦で3点も先制されちゃったよ……。で、塁上に走者を残したタイミングで、控えの控えの投手・背番号11を救援起用。

右の下手投げで目先だかリズムだか何だかを変えるとか何とか、とにかく投手交代。すると出てきた打者は左打ち。おいおい、“奇策”ってか。そんな演出は要らんでしょう。普通に、右下手投げを打ちにくい右打者を打席に立たせればよかっただろうに。

右下手投げと左打者の一般的な相性問題とか、知らん脚本家が書いたとモロバレ。

 

そうそう。投手交代で酷かったのが、投手-遊撃手-中堅手でグルグルいじるのな。1試合で2回ぐらいやっただろう(呆)

遊撃手をナメるなよ! 内野手も巻き込む守備位置の入れ替えなら、せめて一塁手とやれ! 三塁手でも珍しくなってくるだろう。そういう話だと思うが、よりにもよって、遊撃手……。前阪神監督・矢野もビックリの、思い立ったが、パッチワーク守備位置交代。アホか。

追記。ふと現中日の根尾の活躍を思い出した。投手兼遊撃手だったなあ。事情はよく知らないんだけど、中日入り直後は遊撃手、そして数年経て、投手に再転向。極めて特殊な例だと思う。

敢えて投手→中堅手→遊撃手っていじる必要があるだろうか。このドラマレベルの野球話で、わざわざ希有な例を持ち出す必然性はなかったはずだ。投手←→外野手・一塁手ってやった方がよほど一般的。これなら高校野球ではよくやる。概してエース投手が投げても打っても守っても一番いい選手だから。せめて投手←→遊撃手・捕手。

 

まあ、脚本家が野球を知らなさすぎる。制作側の誰でもいいから、指摘せんのかね。それで制作費がかさむわけでもない。誰かに監修させるべきだった。

 

最終回の放送時間は延長ナシ、54分で終了。最近の日曜劇場では珍しい“取り扱い”ではなかろうか。視聴率はよくなかったんだろう。調べないけど。前クールの『VIVANT』がすごすぎたってのもあるかもしれないにせよ、滑ったなあ。

鈴木亮平のノック場面とか、しっかり練習したらしく、それなりに格好良くやってはいたけどね……。