そこそこの年齢の阪神ファンの多くには、2008年のトラウマがあるだろう。ぼくもその一人。
M10となった時点でようやく「5割で勝ち進めば優勝。広島も20連勝はできない。数試合は負けるだろう。これでいけるな」と思った。
この3連戦、まさかの3タテで、マジックを一気に7つ減らした。強い。大差がついた試合はなかったが(一昨日は4対1で、昨日と今日は5対1)、広島ファン的には押される一方という試合内容だったと思う。
一度マジックが消えて、再点灯して以降は、阪神の選手たちを見ていて、特には優勝のプレッシャーのような雰囲気はない。恐らくほとんどの阪神ファンにもない。何はともあれ、
ようやく、勝てる!
臥薪嘗胆、18年。
まずはリーグ優勝。CSとか日本シリーズとか、もう、オマケみたいなもんだ。
やっぱり矢野の4年間は不毛だったわな。監督がボンクラだといくらいい選手が集まっても勝てませんという赤裸々な(笑)現実。
もはや矢野シンパは黙るしかあるまい。誰ぞを育てて獲ってきた? ああ? あ、村上と大竹? だったら今季不振の西勇・青柳と復活した木浪の話で“終了”だろう。
(個人的にはそれ見たことか、ざまあ見ろと言いたいぐらいの気分だし、ぼくは“岡田監督待望論者”だったので、その点でもよかった、よかった)
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阪神、8連勝で何とかってなことは、他の人が散々投稿するだろう。ぼくの試合レビューなんかよりずっと優れた内容のものもたくさん。
ぼくは新井監督の、今日の投手起用に注目した。具体的には九里の8回続投。へぇー……。
九里は7回を投げ終えた時点ですでに107球を投じていた。しかも7回裏は、遊撃・広輔のまさかの2連続悪送球などもあって一死満塁の大ピンチをしのいだ九里。渾身の全力投球。九里にとってある意味、今季最高の投球、イニングだったかも。広輔を救いつつ同点のまま試合を動かさず、3アウトを取って吠えまくった。
まあ、普通に考えたら九里はこの回で限界だ。
しかし新井監督は、九里にこの試合の勝敗を背負わせた。
これは一種の、温情采配。リーグ優勝を諦めたという明確な意思表示でもあるだろう。だって、もしこの3連戦の初戦(床田で負けた試合)でこういう状況になったとしたら、間違いなく継投を選択したと思う。
さて、その、1対1で迎えた8回裏。九里は禁断の! 先頭打者(近本)へ四球。それも明らかにボール球を連発。誰の目にも九里はもはや限界。へろへろ。ここで代える手はあった。
中野にもボール球が先行(2-0)しつつ、きっちり送りバントを決められた。どうしてここで代えないのか?
森下は申告敬遠を選択。ここでも代えないのか?
大山は何とか打ち取ったが(敬遠策成功)、佐藤輝明にもはっきりとしたボール球を連発して二死満塁。代打・糸原が登場。ここでも投手交代ナシ。
新井監督はまさに九里と心中。そして崖から飛び降りた……。2時間ドラマなら東尋坊あたりの立地か……。
はっきり言って阪神ファン的にはありがたい投手起用だったが(勝てさえすればよい)、(それなりにプロ野球の知識がある)広島ファンは、この継投をどう思っただろうなあ。いやー、賛否両論だろうなあ。
だって広島は、リーグ優勝は諦めたとしても、まだ“消化試合”とは言えない。2位で勝ち抜けたいよなあ。CSの1stステージはホーム開催で、引き分けも勝ちとほぼ同じという扱いだから明らかに有利だし、何より興行収入(1試合、億単位)が見込める。
で、今日はDeNAと読売が勝ったから、それぞれ3ゲーム差、4.5ゲーム差に迫ってきた。2位の座が安泰とは言えないし、下手を打つとBクラス転落の可能性もある。
そんなことは、新井監督が考えていないはずはないのだが、けっこう博打でっせ、みたいな……。万が一にもCS出場を逃したら、広島ファンは黙っていないだろう。何故あの時(今日の試合)九里に続投させたってな批判にもつながりかねない。そういう継投だったと思うなあ。
もしもぼくが広島の監督だったとしたなら、そんな危ない橋は渡れない。懸命にリスク回避。熱心なファンが怖い(汗)
(追記)
菊池が欠場する中、遊撃は矢野や広輔に守らせ、二塁・小園という布陣を敷く新井監督。「遊撃・小園」は諦めつつあるのだろうか。