南方新社刊。鹿児島を訪ねた時に買ってきたのかな。

この本の「帯」に書かれたキャッチコピーは、


驚愕すべき農奴的支配

薩摩の支配構造を概観した初の単行本 武士支配は戦後まで続き、今も残る。現代の屈折した依存体質を徹底解剖する。



本の「そで」(カバーの裏側)を引用します。


薩摩藩の支配構造

 薩摩を語るとき、関ヶ原の戦いにおける敵中突破、維新戦争での活躍など、薩摩隼人の剽悍さ、尚武の風が、呪文のように唱えられてきた。しかし歴史をたどれば、戦で主体となったのは隼人ではなく、鎌倉期に参入してきた関東・島津武士団の末裔だったことが分かる。

 民衆・薩摩隼人は常に外来武士団の過酷な支配のもとにあった。八公二民の年貢、集落・家族さえも分断した門割制度や人配、皆無に近い庶民教育、一向宗禁制、他藩の五倍もいた武士、いずれも凄まじい収奪をうかがわせる。明治期になっても、士族の政治支配は続き、太平洋戦争後まで続いた。本書は、この特異な近世・近代の民衆支配の実態を探った初の単行本である(編集部)



お断りしておきます。私はこの本を批判するつもりは全然ありません。様々な資料を引用して(読み込んで)書かれた非常に真面目な本です。

ですが……、いやー読みにくいというか、読むのに苦労しました。法律書並みにつまんなかったです(苦笑)。たまに日本語が下手で読めない作者の本もありますが、この本を書いた先生の日本語は下手なわけではありません。キチッとした日本語です。ですが、とにかく頭の中に入ってきませんでした。

そんなことはともかく、私は「そで」に書かれた内容に驚いたんです。だからこの本を税別1,800円も出して買ったんです。

「八公二民」って収穫の8割が税金ですよ? 『水戸黄門』によく登場する悪代官が治める幕府直轄地ってだいたい「五公五民」か「四公六民」らしいですから、薩摩藩がいかに農民を絞り上げたかがよくわかります。他藩の5倍も武士がいれば、それだけ養わなければならないってことですもんね。まあ、薩摩藩には「郷士」とかって半農武士もいたんですけど。

教育体制の構築も他の地方に較べてずっと遅れていたみたいです。庶民を「盲目」にしておいて、よけいなことを考えさせずに支配しやすくしたようです。

さらに「士族支配」が戦後まで続いたって……。絶句です。


私は恐らく多くの方たちと同じように「薩摩と言えば島津義弘ら勇猛果敢な戦国武士の集団。西郷隆盛や大久保利通ら幕末志士と英明な藩主・島津斉彬」なんてイメージしかありませんでした。

この本を知ってよかったと思っています。