香港公立病院入院日記 | ありおりはべりin香港

ずいぶん放置していたブログですが、この経験がどなたかのために役に立つかもしれないと思い書き残しておくことにします。


発端は月曜の夜、急な倦怠感で立ち上がれなくなり、念の為にコロナとインフルエンザの同時検査ができる簡易キットで検査をしてみたら見事にコロナ陽性。ワクチンは4回打っているも、最後に打ったのはほぼ一年前。コロナ自体にかかるのは2回目で、1年半ぶり。前回は家族全員がバタバタと倒れ、最後の方にかかったわたしは家族の看病疲れもあって非常につらい思いをしたので、なるべく家族にうつさずすむようにここからバスルームつきの寝室に引きこもることに。


火曜の朝起きたら顔の左側が腫れ上がっており、異様な顔つきになっている。倦怠感は相変わらず強く、発熱あり、喉も痛いので朝一番に近所のGPへ。コロナでこういった顔の腫れがでることは珍しいそう。リンパの関係を疑ったGPに、耳鼻科専門医の予約を至急取ってみてもらうように言われる。帰宅してひたすら寝込む。


水曜起きたら顔の腫れは多少引いていたもののやはりまだ違和感のあるレベル。午後耳鼻科専門医の予約へ、見た瞬間にこれはリンパの腫れじゃないから、口腔内に小さな傷ができてそこから腫れたとかでは?とのこと。ついでに鼻からスコープ通して中を見てもらう、鼻も喉も真っ赤な腫れ。追加で薬を出してもらい帰宅。


薬を飲んで早寝しようとするも、息がうまく吸い込まない感じが出て来てうまく眠れない。さらに息を吸い込む時に胸の痛みも出てきた。ここでマチルダ、サナトリウムなど一通り私立病院に診てもらえるか問い合わせてみるも、コロナ陽性といった瞬間にけんもほろろな対応。かと言って救急車に乗るほどの症状なのか自分では判断できず、木曜の朝1番に再度近所のGPへ。


火曜に診てくれた同じ先生が、コロナは急に悪化することが多いのでやはり施設の整った公立病院で診てもらうべきとの診断を下し、心電図を撮って紹介状とともに公立病院へ。ここで救急車を呼んでもらうこともできたのですが、先生曰く現時点でもコロナを診られる救急病院は数が限られているので救急車で運ばれる近所の病院からまた転送ということになるかも、と。そのため急いで念のため一泊できる用意だけしてタクシーで自力でPrincess Margaret Hospitalへ。ちなみにPMHの看護師さんによると、この情報は2024年1月現在では正しくなく、どこの公立病院でも見てもらえたそう。


A&Eで受付したあと、トリアージしてもらうのには15分ほど、しかしそのあとが長い…。噂には聞いていたけれど本当にひたすら待たされる。紹介状持っていたもののSemi urgentというトリアージ結果だったため、最初のドクターの診察まで約3時間。そこから心電図血液検査X線検査と受けさせられるも、その間も基本的にはひたすら待合室の硬い椅子で待たされ体力を消耗。顔の腫れと呼吸の難しさという症状からコロナというよりも何らかの急性アレルギーを疑ったらしく、抗アレルギー薬を注射され、再度の診察がそこからさらに3時間後。経過観察のため一晩泊まっていくことをお勧めする、と言われ、医者の見立てなら仕方ないと同意。しかしここからがまた長かった…


部屋が決まって呼びに来られたのが夜8時過ぎ。病院に来たのは朝10時過ぎですが…。この間ほぼ飲まず食わずだったので、もうフラフラ。そして当然夕飯の時間は過ぎており、しかもコロナ陽性のため売店にいくのも禁止。ビスケットくらいならあるけど?と看護婦さんは言ってくれましたが、とりあえずカバンに家族がつっこんでくれていたあんぱんで凌ぐ。教訓:長丁場になるので、ごはんは食べておいたほうがいい


部屋は救急棟で男女混合棟だけど、区切りはあるのでということだったので入室したら、コロナ陽性だからか2人部屋を1人使用でした。隣の部屋は大部屋でものすごい泣き声とか響いていたので運が良かったのかもしれない。しかし容体観察のためカーテンしめるなとか言われるので、明るいし音が気になるしで、教訓:耳栓とアイマスクは持ってくるべきだった。あとスリッパもあったほうがいい。


寝る前に血圧やサチュレーションチェックがあり、看護師のおばちゃんが高いわね〜という血圧の数値…。そりゃ、入院にもなりますね…。


翌日起きたら朝ごはんの配給あり。かぼちゃのお粥とバーベキューバンという香港らしいメニュー。昨日とは違うドクターが回診にやってきて、顔が腫れる前に何か薬を飲んだか?と再度ヒアリング。症状自体は落ち着いているのでおそらく今日帰れるけれど、薬に対するアレルギーだとおおごとになりかねないから、とのこと。イブプロフェンくらいしか思い当たらなかったのでそう告げると、念のためここでもう一度飲んで観察してから帰宅しましょうとのことで服用。ドキドキしたけど特に問題なく、この間に昼ごはんの配給もあったりで、出て来た謎の豚肉炒めみたいなのがおいしかった。そして夕方看護師さんが再度やって来て、じゃ、帰っていいわよと言われて突如解放。会計を済ませて薬をもらって一人でタクシーにて帰宅。教訓:何時に解放されるか予想が難しくて、家族に迎えに来てもらうのは至難の業かも。一人で帰れる余裕がない場合は家族に待ってもらうことを覚悟の上で。


薬はコロナ特効薬のPaxlovidと、その他鎮痛剤や咳止めシロップ、胃薬など。コロナ特効薬は5日間きっちり飲みきるように言われるが、あとの薬は頓服で良いとのこと。気になるお会計は、1泊入院で300ドル也。オクトパスで支払いました。あとで調べたらコロナ特効薬だけでも一シート1万円以上するとかいう話なので、すごい補助金出てるんだなという感想。ふだんは会社加入の保険がきくのでありがたくプライベート病院にかかってるのだけど、公立病院凄いなとあらためて思いました。


このコロナ特効薬が、12時間ごとに服用なんだけど、飲んでから何時間経っても口の中にずっと苦味が広がるというかなり辛い薬で…5日間の服用。何事もなく服用が終わり元気になれますように。この治療薬の副作用なのかコロナ自体の後遺症なのかは不明ですが退院してからもまだしばらくふらふらして疲れやすくなっている感じがするため、しばらく養生しようと思います、