話題の香港ミステリ13・67 | ありおりはべりin香港
香港を舞台にしたミステリ、あのウォンカーウァイが映画化権を取得したということでも話題の一冊。

中編が6つ、なかなかのボリューム。時代が現代から遡っていって、最後の中編は反英暴動の起こる、イギリス人が嫌われていた時代の話。そんな時代が香港にあったとはいま住んでいるわたしには信じられない感じ。いまはむしろアンチ本土運動が起きているというのに…1967年ということだからちょうど50年前。ミステリとしても面白いけど、社会派な一冊です。

でこの本すごく面白いのですが、訳が多少残念。

ミニバスがマイクロバス、暴風雨警報が「真っ赤な警報」と訳されてたり(レッドアラートじゃだめなのか)、家政婦さんはママさんというかアマさんじゃないのかとか、なんか全体的に地名のカタカナがちょっとあやしかったり、というかそもそも地名は漢字で統一してルビ振る形にしてほしかったとか色々あってそのへんがかなり残念。あと一編目に誤植ある(長男の妻はいないので、次男の妻だと思われる)。

訳者あとがきによるとやはり香港にはあまり詳しくなくて台湾の本を主に訳してきた方のようで、だとしたらもっと詳しい方のチェックがあった方が良かったのでは、、、と思ってしまい本当に残念。

でも香港好きな方にはおすすめする一冊です!