深海魚への贈り物 | アリス高崎障がい者就労継続支援

アリス高崎障がい者就労継続支援

群馬県高崎市にある障がい者就労支援施設です。
心の病の方が主に利用しています。
安心感と楽しさと仲間同士のつながりの中での回復を一緒に目指していける、そんな場作りを心がけています。
悩みをゆっくり話せる個人相談の時間も大切にしています


 

 

深海魚への贈り物


アリス高崎
ブログ担当 N です


(思いつくままにデタラメにペラペラ喋ったものを録音して、
それをためしに文章にしてみました)




昨日天気予報を見ていたらね、もう少ししたら雪が降るって言ってたよ。

春なのにね。

春には春の雪が降るんだって。

うすもも色の桜の雪が降るんだって。

それはいいことだ。


間違って赤い雪が降らなければいいな。

赤い血の色のにじむような悲しみの雪が降らないといいな。

悲しみの雪が降らないでいてくれるなら、
その方がいいな。

悲しみは、
ないならない方がいいな。

でもね、決して望むわけではないけれど、
赤い血のにじむような悲しみの雪が降ってしまう時もやっぱりあるね。

そんな悲しみは、できたら溶けて流れてほしいな。

流れるなら流れてほしいな。


でもそれはどこへ流れていくのだろう?

山頂で溶けた悲しみの雪は、川の流れに沿って海に流れ込んで行くのかな?


海に流れた悲しみはどこに流れていくのだろう?

海の向こうの大陸の誰かの所に流れ着くのかな?

どうなんだろう?

そしたら、それは意味がないじゃないか

悲しみが溶けて流れていったって、
それが誰かの心にたどり着いてしまうのなら

それは意味ないじゃないか



それとも

海に流れた悲しみは
海の底に沈んでいくのだろうか?

どうなんだろう?

そしたら、深海魚は、

僕らが流した悲しみを食べて生きていかなくちゃならないのかな?

どうなんだろう?

それはいやだな





春になるとね、
青や緑の陽の光が空から降ってくることもあるね。

僕らはそれに手をかざすこともできるね。

そうしたいならそうすることもできるね。

そんな気持ちで外を歩いていたら、
黄色い菜の花が、ゆらゆらと風に揺れていたよ。

僕の心もそれに合わせて、
ときめいて黄色くゆらゆらと揺れたんだ。

僕の黄色くゆらゆら揺れた心は、
風に乗ってどこかに流れていったよ。

どこへ流れていったんだろう?

海の向こうの大陸の

誰かのところまで流れていったならうれしいな。




菜の花と共に黄色く揺れた僕の心が、
大海の波の揺れに混ざって、
海深くに沈んでいったとしたら、

深海魚はそれを食べてくれるかな?


海の底の深海魚に届けたいな、

春の日差しの中、
ゆらゆらと揺れていた菜の花と共に、
一緒に黄色くゆらゆらと揺れたこの心が、
深海魚に届いてくれたらいいな。

春のささやかなプレゼント、
届いてくれたらいいな。




この世界の奥深く、

世界中の人の心の奥深くで
息をしている深海魚と、

今年の菜の花の風に揺れる、
そのゆらぎの中から生まれる黄色い心を

一緒に分かち合い、

一緒にパクパク食べられたらいいな。