ゆらゆらと揺れる想いと、ホントな想いと、湯気と共に未来へ溶けてゆく何かと | アリス高崎障がい者就労継続支援

アリス高崎障がい者就労継続支援

群馬県高崎市にある障がい者就労支援施設です。
心の病の方が主に利用しています。
安心感と楽しさと仲間同士のつながりの中での回復を一緒に目指していける、そんな場作りを心がけています。
悩みをゆっくり話せる個人相談の時間も大切にしています

 
 
「ゆらゆらと揺れる想いと、ホントな想いと、湯気とともに未来に溶けてゆく何かと」



アリス高崎
ブログ担当 N です



施設で毎日人と関わってると、自分の、人との関わり方とか、支援の仕方とか、

「果たして、これでいいのかな?」

なんてね、

やっぱりいつもどこかで疑いながら、

ちょっぴり不安になりながらやってるところがあるかな?


僕は人に対して
甘々な人間だからね。

でも世の中は厳しいところだからね。

そのギャップの問題ってのが、いつも目の前にぶら下がっててね。


ゆらゆらと目の前をかすめているわけです。




施設で人と関わっていく時は、
目の前の出来事だけじゃなくて、

本当にその人にとって人生全般を見て、
何が幸せになるだろう?
って、
いつも考えながら、
僕なりに考えながら、
関わらせてもらってるんですよね。

でも長い人生の中で、
何が本当にその人の幸せになるかなんて

誰にも分からないから

僕のやってることが本当にその人の幸せにつながっているかどうかなんてね、
いつでもわからないわけですよね。


だから自分のやってることが…
自分の人との関わり方が…
これで本当にいいのかなって…



時々ね…

いや、時々じゃなくて

「いつも」

「時々」
の間ぐらいの所で、
そう感じちゃうんですよね。



「これでいいんだ」

っていう強い信念みたいなものもあるけど


裏側でね、

「これでいいのかな?」

っていつも不安のような色合いの心をどこかで持ってるなって、

それは自覚してるな。




世の中は厳しいから

そういう厳しい世の中で生き抜いていけるように力をつけてもらおうっていう、
そういう支援ていうのはあると思うんですよね。

それも正しいと思うんですよね。


でも僕ね、そういうところが全然ないんですよね。

それがいいか悪いかは全然別として
そういうタイプの人間じゃないんだな。



北風と太陽のお話があるけど、

僕はタイプとしては

圧倒的におひさまの光を当てて、あったかくなってもらって、

自然に上着を脱いでもらって

身を軽くしてもらって

軽くなった心持ちで
生きやすく生きていってもらいたいなって、

そう思うタイプの人間なんですね。


それはそれで正しいと思うし、

間違ってないと思うんだけど、

でもそれだけでいいのかな?って

そりゃやっぱりいつだって、
疑いながら…自分を疑いながら、

やってるところがあるっていうのは、こりゃ嘘じゃないな。






大晦日の夜、もうすぐ 一年が終わるっていうその時にお風呂に入っててね、

お風呂に入ってる時っていうのはぼんやりとしてて、

今、自分が何を考えてるか?
なんてことも、自分で自覚できないくらいに

ぼんやりと、ぼんやりと、あったかい湯舟に浸かって何かを考えていたんだけど、

はっと、今、自分が何を考えているのかな?って温かな湯舟の中、我に帰ったんだけど、

そしたらね、こんなことをぼんやりと思っていた自分に気づいたんです。


色々な事情があったり、
具合を悪くしたりしてて、
もうしばらくアリスに来られなくなっちゃってるメンバーさん達が何人もいるんですよね。


年が明けて新しい年になって…
いつか春になった頃にでも…
その人たちに、また戻ってきてもらいたいなって、

ぼんやりとぼんやりと

そんなこと考えてたんですよね。


戻ってきたら、その時はなんて言おうかなって。
 
 
「あぁ、戻れて良かったねぇ」

って、そんなことを
心を込めて
しみじみと言っている自分を
ぼんやりと想像してたんです。

ぼんやりとぼんやりとね。


ぼんやりと考えてることってのは、
それはつくづくしみじみと感じてることで、

あんまりしみじみと思っているから、
無意識の奥の方に仕舞われて、

それを考えていたことすら分からなくなっちゃってたけど、

無意識の奥の方の想いを

湯船の底から両手でそっとつつむようにすくい上げてみたら、

そんなこと想っている自分を見つけたんです。



もうすぐ一年が終わって、
あと数分で新しい年が始まろうっていうその時に

自分でも気づかない心の深いところで

来られなくなっちゃってるメンバー達が
またいつかアリスに来られるようになって…

来てくれたらいいなって…

そんなこと考えてたんですよね。



僕は…厳しさというものがあんまりない、
甘い人間で

そういう自分の

自分という人間のあり方とか

人との関わり方とか

支援の仕方とか

そこら辺に関して

「これでいいんだ」

っていうところと

「これでいいのかな?」

っていうところをいつも、
ゆらゆらゆらゆら揺れてるんだけど

どれが、正しいことか、本当のことか、わからないんだけど


でも年がもうすぐ終わり、
新しい年が始まろうとするその時に、

湯舟の中で、僕の心の奥深くのところで、ぼんやりとぼんやりと考えていたその気持ちは、

それは本当だなって、

それは嘘じゃないなって、

そう思うんですよね。



会えなくなっちゃってる人に
会いたいなって、そういう気持ちって


それは本当の心だなって。



狭い浴室の立ちのぼる湯気の中で

もうすぐ除夜の鐘が鳴るその時に

立ちのぼるお風呂の湯気とともに

消えいるように
染み入るように


僕のぼんやりとした想いは、

新しい年に向かって

未来の時の中に
消えていくように
染み込んでいくように

溶け込んでいくように

ゆらゆらとゆらゆらと舞い上がってゆきました。