誉田哲也の「姫川班シリーズ」を読みました。もう10作だそうです。姫川玲子と言えば 何といっても竹内結子です。「ストロベリーナイト」など、ドラマ化、映画化もされました。高校生の時にレイプ事件にあい、そこから這い上がって警視庁捜査一課の班長として事件解決に当たる姫川玲子役、心に闇を抱える姫川玲子役は竹内結子にぴったりでした。そしてその姫川に想いを寄せる菊田刑事(西島秀俊)も忘れる事が出来ません。

 

作者誉田哲也の別シリーズの主人公・魚住久江が、姫川班に異動になってくるところから物語は始まります。私は知らなかったのですが、姫川とは対照的な人情派の魚住をドラマで演じていたのが、松下由樹だったとの事。物語は、事件の捜査状況によって、双方の視点から描かれるというのも面白ったです。私の頭の中では、ずっと竹内結子と松下由樹がしゃべっていました。

 

長らく空き家として放置された東京下町の一軒家から腐乱死体が発見される。一方、大手新聞社の創業者一族の一人が、身元不明者として意識不明で運びこまれる。この男は 誰から見ても金に物を言わせる最低のくず野郎で、しかも「従軍慰安婦」記事の捏造事件を起こしてもいて・・・。

 

この辺は、実際に起こった朝日新聞の従軍慰安婦の誤報記事が 物語の下敷きになっているようです。ですが、あえてこの物語にそこまで詳しく記す必要はあったのかと少々疑問に思いました。他にもIT企業成功者の先駆けのような人物が出て来たりして、「あ~この人物はあの人がモデルだな~」と想像したり、EC(ネット販売)最大手の「ジャングルジャパン」に至っては「あまぞん」の事か~と、その安易なネーミングに苦笑するしかありませんでした。

 

最後、殺害の物的証拠の発見については、そんなにうまく行くかいなと?マークが付きましたが、ドラマ「ストロベリーナイト」=竹内結子という女優を懐かしく思い出しつつ、井岡刑事=生瀬勝久、ガンテツ=武田鉄矢、今泉警視=高嶋政宏などを頭に思い浮かべつつ読み終えました。さて対照的な姫川玲子と魚住久江のシリーズは、次作も続くのでしょうか?楽しみに待ちたいと思います。