「舟を編む」 | アリスカフェへようこそ3

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2012年に「本屋大賞」を取った三浦しをん原作の「舟を編む」が 4月まで NHK-BSで放送されていました。松田龍平主演で映画化もされ、それもとても良かったのですが、NHKドラマ版(全10回)はその上を行くすばらしさで、不覚にも私は最初観ていなくて、私が参考にしているドラマ好きのブログで絶賛されていたので、見逃しをオンデマンドで観て、後半は毎週リアルタイムで・・・、そして最終回は涙・涙でした。

 

大手出版社・玄武書房の辞書編集部が「大渡海」という言語中辞典を完成させるまでの十数年の物語で、原作では 主人公は、言葉の魔力にとりつかれた?馬締(まじめ)という男性編集者でした。ですが、NHK版では、主人公を 原作では脇役だった新米編集者岸辺みどりに替え、時代もこのコロナ禍に置き換え、出版不況や紙ではない電子辞書の台頭など、問題がてんこ盛りで、もう本当に面白かったです(語彙力不足・・・)

 

「大渡海」という言語中辞典を作る事に奔走する編集部の面々。2時間という縛りのある映画と比較するのは野暮というものですが、池田エライザ演じる岸辺みどりの成長物語でもあり、お仕事ストーリーを、池田エライザが等身大で演じていてよかったです。その上、馬締を演じるのが、RADWIMPSの野田洋次郎で、最初は大丈夫かな~なんて思いましたが、彼も適役で、辞書作りしか頭にない男・・・最高でした。

 

脇も 編集スタッフに岩松了、渡辺真起子、向井理、松本先生に柴田恭兵、社長に堤真一、辞書制作に使う製紙会社の矢本悠馬など、なかなかのメンツでした。特に柴田恭兵演じる辞書編纂の大目付役、松本教授は、映画では加藤豪が演じ、最後は辞書完成前に死んでしまうのですが、なんとNHKはその設定まで変えてしまうという大胆さ。

 

渡辺真起子に至っては 同じ時期に、NHKでは辞書のベテラン編集員、WOWOW「TOKYO VICE」では、任侠ヤクザの世界の姐御役を演じていて、その役柄の広さにびっくりしました。そう言えば映画版の主役松田龍平が、NHK版にも カメオ出演していてびっくりしました。なんでも自分から出たいと名乗り出たのだとか?

 

 

「言葉の海に浮かぶ小さな光を集める・・・辞書は そのための大切な船だ」なんて素敵な言葉でしょう。そしてまたこれも忘れられない言葉・・・「つながるために 人は言葉を生み出したのだ」辞書編纂に取り組んだみどり達の十数年に及ぶ物語でした。(1年後くらいにまた見直してみたいドラマです)

映画「舟を編む」の感想

三浦しをん「舟を編む」の感想