先月末に家族で仙台に帰った時に、とても楽しみにしていたことがありました。それは、東北新幹線の車内広報誌「トランヴェール」の沢木耕太郎の巻頭エッセイ「旅のつばくろ」を読むこと。新幹線に乗りこんで、席に着くや否や、お弁当を広げる前に手に取ったトランヴェール6月号。ページをめくったら、なんと巻頭エッセイは 柚月裕子氏の「旅のまにまに」に変わっているではありませんか(号泣) しかも4月号ならわかるけれど、6月号からの連載開始です。

調べてみたら、沢木耕太郎の「旅のつばくろ」は、3月号が最終回のようでした。茫然とする私。柚木氏の新連載を読む前に、スマホでいろいろと検索をしてしまう私。連載の終了に諦めきれない私がいました。私と同じような気持ちを書いている方のエッセイやブログ記事をいくつかみかけました(井部俊子氏のエッセイ)。連載回数は72回、という事は丸6年間。私の知る限り、トランヴェールの巻頭エッセイを、こんなに長く続けて来た作家は他にいませんでした。氏の文章をあまり目にする機会がない最近、この巻頭エッセイ「旅のつばくろ」は、沢木氏の文章を読むことが出来る貴重な場だったので、それだけ読者からの支持は大きかったと思うのです。それにおそらくJR東日本からの連載継続の依頼も・・・。

ですが物事にはいつか終わりが来ることを、誰も知っています。寂しいけれど仕方ありません。旅の広報誌の連載でありながらここ2年ほどは、コロナのせいもあって、沢木氏も旅に出る事は難しかったようで、連載の内容も、過去の旅のことや都内を歩いた事など、テーマ探しも大変だったと推察されました。連載の終了、本当に残念でなりませんが、せめても救いが、新連載も私の大好きな作家柚月裕子氏だったと言う事。これからはこの新連載「旅のまにまに」を楽しみに新幹線に乗る事にします。

そして仙台からの帰り、北上に向かう新幹線の待合室でふと思いました。3月に連載が終了してるという事は、既刊の第一集「旅のつばくろ」に続いて、第二集も出るのではないだろうかと。調べてみたらなんと前日(6月29日)にすでに第二集「飛び立つ季節~旅のつばくろ」が出てるではありませんか?びっくりして仙台駅構内のキオスクの本屋へ行ったら、平積みでおいてありました。本はほとんど図書館から借りて済ませる私が速攻でお買い上げ。北上へ向かう新幹線の中で読み始めました。この本の感想は また後日と言う事で・・・。