私達の寝室は、アリスの写真でいっぱいだ。

A4サイズに、印刷したものを、沢山、壁に貼っている。

 

ステファンは、写真として印刷、現像したものを飾っている。

 

 

上の写真は、2018年、ギリシアに行った時。この頃、もう発病していたのかな?

 

 

これは2017年。日本から、友達がいらっしゃって、着物をプレゼントしていただいた。

美都さん、ありがとう。

 

そして、これは、2022年、ストラスブールの大聖堂の上で写したもの。

ルフィを抱っこしている写真は、雄亮が撮ってくれたもの。

 

 

そして、PLAYのボーダーシャツを着た、最期の日の写真。

その写真の下に見える、石ころみたいなのは、ベルリンの壁の破片。

2022年に、アリスが、一人でベルリン旅行した時に買ったもの。

 

 

 

写真を見つめていると、「源氏物語」の「須磨」の帖で、紫の上が詠んだ歌を思い出す。

 

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千年前は写真も動画もないから、「鏡にだけでも、姿が残っていれば」と願う、紫の上の想いが、美しく思えた。

美しい、っていうのは変だな。

ロマンティックというか、当時、恋に恋する年頃だった私には、素敵に思えたものだった。

 

今は、写真や動画も見られる。アリスは、いっぱい動画も残してくれた。

だけど、遠くに離れているだけでなく、この世からいなくなっているのだから、いくら、写真や動画を見ても、慰められない。

 

ただただ、アリスが、苦しみから解放されて、笑顔でいる、と願いたい。