友人夫婦に、もうすぐ赤ちゃんが生まれる。
もうすぐと言っても、夏が終わったあとだと思うけど。
やっぱり、そういう話題は、「嬉しい」と思えるのだ。
アリスを妊娠した時、もちろん、私も嬉しかった。
ステファンも、雄亮も喜んでくれた。
家族も、友人たちも、喜んでくれた。
女の子だと分かった時は、また、嬉しかった。
どちらでも良かったのだけど、やっぱり女の子がいいなあ、と思っていたら、アリスが私たちのもとへ来てくれた。
(3ヶ月のアリス。この笑顔、まさに天使。)
子供が親を選ぶ、という話も聞くから、アリスが、私たちを選んでくれたんだろうか?
仲の良い親子だったと思う。
私とはもちろん、パパとも、仲の良い親子だったと言えると思う。
だけど、アリスの方が、頭が良くて、しっかりしていて、私は、頼りげのない母親だったかもしれない。
「子供が親を選んで、生まれてくる」という話は、アリスとしたことがある。
「そんなわけないじゃん!」って、アリスは、冷たく言ったけれど、本心は、どうだったのだろう?
私たちと一緒にいた時は、アリスも幸せだったと思いたい。
だからこそ、最後の治療は、パリの病院ではなく、私達のそば、トゥールーズに帰ってきて、入院してくれたんだよね。
いつだっけ? 入院していた時だっけ? その前だったかな?
アリスが「お母さんの一番大事な仕事は何?」
と訊いてきた。
迷いながら、「んー、料理教室かな?」って、答えた。
そうしたら、「アリスのお世話じゃないの?」って予想外だったように驚いてたアリス。
今になって「アリスのことよ!」って、言ってあげればよかった、と、後悔しても仕方ない。