娘の学校には不登校児が数人いて、
基本的にみんな保健室に登校するのだが、
不登校になってすぐの頃、

プロ不登校児

に出会った。

保健室で一緒になる不登校の子達は
「しんどさ」を抱えている様子が目に見えて分かることが多いのだが
「プロ」である彼は、悲壮感がゼロで、

ものすごく普通

だったのだ。

まるで近所の駄菓子屋に寄るかのような軽いノリで

「ういーっす」

と保健室に入ってきて、
養護の先生と

「久しぶりー」

「そっすねー」

「これ、担任の先生から預かってるものね」
(プリント類を渡す)

「あざっす」

~数分世間話~

「今日は担任の先生に会っていく?」

「あ、もうすぐ電車の時間なんで帰るっす」

「そっか、じゃあまたね」

「ういーっす!」

という感じで
風のように現れて、風のように帰宅。

聞いたところ、
当時、不登校歴2年半の中3の彼は、
いつもこんなノリなのだとか。

当時「しんどさ」の真っ只中にいた娘と私。

どうやったら「あの境地」に辿りつくのだろう

と、不思議で仕方なかったし、
彼との出会いは新鮮な驚きでもあった。

それから時が経過して、
プロ不登校児の彼は某通信制高校へ進学し、
娘は不登校歴1年半に突入。

彼のような「プロの域」には達していないものの、
わりとそこに近づきつつある気はする。

これを書いている今は中2の終わりの時期。
卒業までに「プロ」になることはできるだろうか。