映画のあとの、珈琲タイム。
見晴らしの良い、ビルの上。

デキャンタに入った、二杯分の珈琲。
硝子越しに揺れる湯気。

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1月に入り、やっと念願の『この世界の片隅に』が、長野と山梨にやってきまして。

二度目の鑑賞に、行ってきました。

一度目の鑑賞

原作を読んで。





・・・以下、ネタバレあり・・・



原作では、とにかく玉音放送の後に悲しくて悔しくて涙が止まらなかった。

勝つために戦ってたんじゃなかったの?じゃあなんであの子は死んだの?


戦地で戦うことだけが戦争じゃ無くて、貧しくても暮らして行く事が戦いだった日常。


それを支えていた全てが崩れ去って、泣いて泣いて、それでも続いて行く命の営み、日々の優しさ、逞しさで救われた。



けどそれでも続いて行く日々の中、床に伏せた妹。

腕に広がる痣。

「治るかねぇ」「治らんとおかしいよ」

笑い合う姉妹と裏腹に、思い出すのは同作者の『夕凪の街、桜の国』。



戦争が終わった平和な広島で、大人になった主人公が恋をしたりお洒落を夢見たり、そして倒れて血を吐いて。

「私が死んだら、原爆を落とした人は『やった!また一人殺せた!』と喜んでくれる?」

そう思いながら、死んでゆく。


戦争が終わっても命の営みは続いてゆくし、生も死も、続いてく。



あの子も、この子も、何のために死んだんだろう。


勝つための犠牲にすらなれなかったあの子。

もう終わった戦争に殺されたこの子。



そんなことを思い返して、結局帰りの車は泣きながら運転していた。



けど、この作品の中に悲愴さは殆ど無くて。


ここまで穏やかに、優しく、朗らかに描かれた『戦時中』は珍しいんじゃないかなぁ。

劇場に笑いの溢れるシーンも多く、柔らかな日々は愛しさに満ちている。


なんのために死んだのか、そう思うとやりきれないけれど。

なんのために生きたのか、そう思うと意味も理由も溢れてくる。



そんな作品だと思うので、あと二回は観に行きたい。


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山梨県の上映館

・TOHOシネマズ甲府


長野県の上映館

・長野グランドシネマズ

・松本シネマライツ

・TOHOシネマズ上田

・飯田センゲキシネマズ

・伊那旭座

・佐久Amシネマ


岡谷スカラ座でも、2月に二週間限定上映されるとの噂も。

長く、広く、公開されますように!


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