先日、お勧め!と紹介した本。
それと対を成すように、読んでおきたいのがこちらの漫画。
映画化しているので、ご存知の方も多いかも知れません。
『この世界の片隅に』が、呉の話だったのに対し、こちらは広島の話です。
『読後、まだ名前の付いていない感情が、あなたの心を突き刺します』
この帯の言葉の通り、胸に言葉にできない気持ちが残ります。
あの時代と、この時代。
二つの時代を結ぶ、広島の街。
新しい日常に、踏み出したかのように思える夕凪に。
断ち切れない、あの日がある。
それは余りにも、余りにも静かに訪れる夕凪のはなし。
いくつかの、いくつもの。
数え切れないほど訪れる、夕凪のはなし。
その中の、ひとつ。
黄昏を運んでくる。
「謝って欲しいわけじゃ無い。ただ、知って欲しい。こんな事が、ここであったということを」
先日、広島で。
そんな声をネットで見掛けた。
それはきっとかの国だけではなく、私達も含めて全ての人に当てはまる言葉なのかも知れない。
怒りとか悲しみとかじゃなくて。
ただ、知るという事の重み。
全てはそこから始まって、そして未来はそこから先へ進んでゆくのだと思う。
『この世界の片隅に』が上中下巻の三冊だったのに対して、こちらは一冊ですし薄い本です。
だけど同じくらい、深みのある一冊。
怒って欲しいわけじゃなく、悲しんで欲しいわけじゃなく。
ただ、知って欲しいから。
機会があったら、手に取ってみて欲しい一冊です。
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