先日、お勧め!と紹介した本。

それと対を成すように、読んでおきたいのがこちらの漫画。

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『夕凪の街 桜の国 / こうの史代』

映画化しているので、ご存知の方も多いかも知れません。
『この世界の片隅に』が、呉の話だったのに対し、こちらは広島の話です。


『読後、まだ名前の付いていない感情が、あなたの心を突き刺します』


この帯の言葉の通り、胸に言葉にできない気持ちが残ります。

あの時代と、この時代。
二つの時代を結ぶ、広島の街。

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戦争が終わって10年、平和な日常を取り戻したように見える街角で。
新しい日常に、踏み出したかのように思える夕凪に。

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終わらない、あの日がある。
断ち切れない、あの日がある。

それは余りにも、余りにも静かに訪れる夕凪のはなし。

いくつかの、いくつもの。
数え切れないほど訪れる、夕凪のはなし。

その中の、ひとつ。

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怒りとか悲しみとかを超えた場所にある、その現実はただただ夕凪のように穏やかにさえ見える静かさで。

黄昏を運んでくる。


「謝って欲しいわけじゃ無い。ただ、知って欲しい。こんな事が、ここであったということを」

先日、広島で。
そんな声をネットで見掛けた。

それはきっとかの国だけではなく、私達も含めて全ての人に当てはまる言葉なのかも知れない。

怒りとか悲しみとかじゃなくて。
ただ、知るという事の重み。
全てはそこから始まって、そして未来はそこから先へ進んでゆくのだと思う。


『この世界の片隅に』が上中下巻の三冊だったのに対して、こちらは一冊ですし薄い本です。

だけど同じくらい、深みのある一冊。

怒って欲しいわけじゃなく、悲しんで欲しいわけじゃなく。
ただ、知って欲しいから。

機会があったら、手に取ってみて欲しい一冊です。

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