仕事を終えて家に帰り食事を終えたところに
埼玉に住む専業主婦の妹から電話がかかってきた。
夏に亡くなった伯父の相続についてだということはわかった。
少し前に大阪に住む妹から
司法書士に遺言執行してもらうこととその費用についての
お知らせメールが来ていたのだ。
どうやら、そのことについて不満があるらしい。
妹:「司法書士に頼むって言っていたよね。。。」
私:「うん。」
妹:「30万+追加手数料。。。」
私:「だって、前から連絡取ってたでしょ。」
この時点で私は妹がお金がかかることが嫌なのか、と推測する。
妹:「それは、別にいいんだけど。。。。」
???この時点で私は妹が何を言いたいのかわからなくなった・・・・・
それから、数分
ゆったりと間を置きながら話す妹の話の内容から
(私は既にイライラしている)
大阪の妹がもう少し動いたら
司法書士に頼まなくても凍結された伯父の預金を動かせる。。。かもしれない。
それに、司法書士に頼んで、会ったこともない親戚にわざわざ伯父の死を知らせたら
ややこしいことになる
。。。かもしれない。
そうすると、その内容に異議申し立てされる
。。。かもしれないし、
多少なりとも財産を分けないといけなくなる
。。。かもしれない。
「どう思う?お姉ちゃん」
と妹はのたまった。
この間およそ10分(以上に私は感じたが)
私は言った。
「大阪の妹がそれでいいと決断してるんならそれでいいと思うよ。」
妹は私から思ったような反応がないことに不服そうだ。
「そうなんだ。。。でも、ちょっと妹が動けばいいだけなのに面倒くさがってしないんだよ。」
だ・か・ら~~~!!!???
私は心の中で叫んだ!
そして、言った。
私:「あのさ、結局あんたは私に何をしてほしいわけ?大阪の妹に考え直せって言ってほしいわけ?」
妹:「そんな言い方しなくてもいいじゃない!ひどい!
なにをしてほしいとかじゃなくって、どう思うかと思って。。。」
私「私もあなたと一緒でこっちにいるからなにもできないよね。
妹が大阪で私たちのできないことを全部やってくれているんだし、
彼女だって働いているんだから、
法的に間違ったことをしてるんなら別だけど
そうじゃない限りはああしろこうしろ、もっとこまめに動けなんて言えないでしょ。」
妹:「でも、もし会ったこともない親戚にお金くれって言われたら」
私:「私も法律には明るくないけど、
遺言があっても異議申し立てがあればわたさないといけないの?」
妹「。。。そこまではわからないけど」
この時点で私のイライラはピークに。
私:「あのさ、「かもしれない」、「かもしれない」じゃ話にならないんだけど。
そんな不確かな理由で妹のしていることが間違ってるなんて言えないよ。
それでもそんなに心配なら私にどう思う~~なんて聞かないで、大阪の妹に直接言えば?」
そこから大げんかでございます。
そのあとしばらくして思ったこと。
埼玉の妹は短大卒業後、数年働いてその後結婚した。
その後働いてはいない。
専業主婦とはいえ、贅沢はいっさいせず旦那をたて子供もとてもいい子に育てている。
毎日子供の習い事や家事その他でとても忙しそうだ。
実家の母には毎日電話をし、私を含め家族のことを誰より気にかけてくれている。
私みたいにこんな風にパソコンに向かったり、ヨガに行ったりする時間はないと思う。
だから、私は彼女が専業主婦だからって「時間があっていいわね~~」とは思わない。
ただ、圧倒的に流れている時間が違うのだ。
社会に出ている人たちは
何かを報告する時、結論から先に言うようにしつけられている。
そのほうが効率的だからだ。
さらに報告には「かもしれない」や「たぶん」や「~くらい」などの
あいまいな表現は極力避ける。そうしなければ仕事が進まない。
だから私たちは知らず知らずのうちに
他の人にもそれを期待してしまっている。
普段の他愛無いおしゃべりなら
気にならないし、私だってそういう話し方をしているかもしれないのに
こと、事務的なことになると
流れる時間が違うのだ。心臓が早く波打つ。
昔「象の時間。ネズミの時間。」という本があったが
そのことを思いだした。(本の趣旨とはちょっと違うかもしれないが)
どちらがいいとか、悪いとかではないと思う。
ただ、長年の生活で確実に私たちは違うものになってしまったらしい。
そのあと、そうはいっても気になり、大阪の妹に電話したら、
諸々の心配は全て杞憂だとわかった。大阪の妹は全て折り込み済みだったのだ。さすが。
バツが悪いので、埼玉の妹には連絡しないでいたら
夜中に
「ごめんね。お姉ちゃんの言う通りです。私、勝手に心配して空回りしているね。」
というメールが来た。
さらにバツが悪くなり、そのまま返信をしていない私は
社会人としての生き方は身につけているかもしれないが
人間的には妹にかなわないような気がする。
そしてネズミの私は早死にする。。。かもしれない(笑)