アリスの月命日 | 続・阿蘇の国のアリス
3月16日


天文台へ。


アリスちゃんの
月命日に合わせて
心ばかりの
お花を送りました...

オーウェン&クーオレママ

「きれい...」


「アリス色のお花を
ありがとうございます」


ルナ天文台では
犬と泊まれる部屋を
着工していました。

「いつかこの天文台に
のんママさんを呼んで
歌ってもらうんだ...」




きみが逝ってから、
ぼくの心は
しびれてしまったようだ。


たべものは
味も香りもなく、
みな砂のようになった。


自分の苦痛や悩みも
他人事のように遠くなった。


...重苦しい夢を見た。

焼け野原にひとりでいる夢。


空はその日の昼と同じ
厚い雨雲におおわれている。

焼け跡にぼくはずぶ濡れで
呆然と立っている。


なぜかこの山火事で
きみが死んでしまったことを
知っている。

足元の草原のしたに、
きみは埋まっているのだ。


ぼくはよつんばいで
泥と炭のなかに手をいれ、
きみを探そうとする。

「...アリス...アリス」

汗だくで目を覚ました。


「パパ、笑って...
ほら、わたしとずっと
いっしょだって、
ママもうれし泣きしてるよ。
まあ、私は魅力的だから、
あたりまえだけどね」

2月16日