ひなまつり | 続・阿蘇の国のアリス
死後の家族愛について、
私はときどき考える...

(...あれは?)


ただ見つめているだけの、
成就する可能性がない愛。

(私が入っていた酵素の浴槽...)




(パパ、なにしてるんだろう?)




(そうか、
枯れかけているお花を、
私の浴槽に浮かべているんだ)


「ママ、きて、...
ひなまつりに、
アリスへのプレゼントができたよ」


「ママにも...」


「それから、
今日がお誕生日の、
ルナちゃんと、
シホさんのお嬢様にも」


(私には返す言葉がなかった)


パパのポケットに移動し、
私はさまざまな角度から
パパとママの顔を見て、
きょう一日を
過ごすことにした。


「おとなしくしとけよ」


(うん)


「いっしょに、
おひなまつりいこうね」


トンネルを抜けると...


大分県竹田市でした。


「まずは、ご挨拶...」


命水延命地蔵尊


「阿蘇の国のアリスを
長生きさせてくださいまして
ありがとうございました」


十六羅漢像


「アリスとよく遊んだ場所」




御客屋敷


竹雛




昭和雛




明治内裏雛




旧小早川酒造蔵


大雛飾り




江戸雛


死のなかの
「生」の醍醐味を見極めたい...


パパといっしょに
ママをいつまでも
見守りたい。


雛人形を見つめながら、
死後の生が
いつまでも続くことを、
私はひそかに望んでいました。