ちゃんときこえてるよ | 続・阿蘇の国のアリス
「Annちゃん、ファジーちゃん、
お誕生日おめでとう♪」


「ひめちゃん、バジルくん、
オスカーちゃん、ビリーちゃん、
今日も一緒に生きようね」


「何、ひとりごといってるの?
少しのあいだ待っててね」


「やった♪久しぶりの馬アキレス」


「なつかしい味...グスン」


「ところで、ママとパパは何をするの?」

「年賀状とアルバム作り」


「閉店まで時間がないな」


阿蘇の国のジュジュ、
物語の始まり、
緑川、清栄山、
あ・い・し・て・る、
また会おう...

白いワクに入力していきます。


その文字を見ているだけで、
ぼくの目には涙があふれてきました。


アリス、
きみはいつでも
命がけで真剣だった。


もう、忘れたかな。

去年の9月、
5年間で400例の
MRI画像を見た先生がきみにいったこと。

「400例のなかで、
アリスちゃんと同じ場所に
脳腫瘍ができた子は
20例ほどいましたが...

3ヵ月以上生きた子はいません。

新年を迎えるのはむずかしいと思います」


それからというもの、
ぼくたちは暗い話や病気の話は
一切しなかった。


そして...

発症してから、
1年4ヵ月も経つというのに、
きみの目は明るく光ってる。

きみはまだきみのままだ。


ねえ、アリス。

きみはいつ死ぬの?

死なないよね、絶対。

ぼくをおいて死なないよね!


きみはずっとぼくの胸で生きる...

約束だよ。

「アリスちゃんに♪」


「保護犬に♪」


ちゃんときこえてるよ、パパ。