大切な人 | 続・阿蘇の国のアリス
まだ午前5時すぎ?


タオルケットの感触、
ハニカムマットの
天国のようなやわらかさ。

身体は気だるく
マットの上に浮かんでいる。

二度寝をしようと目を閉じると、
すぐにその夢がやってきた。


私のとなりに人がいる。

夢の直感で、その人が
大切な人であることがすぐにわかった。

だけど、
夢のなかの自分の身体は
思うとおりに動かなかった。

その代わり、私がしたのは、
目を閉じてにおいをかぐことだった。

私は夢のなかで姿形のわからない
人のにおいをかいだ。

どこか懐かしさを感じさせる
においだった。

もっとこのにおいをかいでいたい。

夢のなかの人といっしょにいたい。

しびれるような気持ちで
そう願ったときに、また目が覚めた。

すると、となりには、
ママがいた。