時間よ止まれ | 続・阿蘇の国のアリス
ジーーー。


「バースくん、鼻血止まったかな...」


翌日、
ママが仕込んでおいた
酵素が完成しました。


「アカと...」「シロです♪」








浴槽とぬかも新しくなりました。


その日の
ママとパパの昼食は、
「だいこんや」さんの
肥後赤牛丼でした。








昼食の後、
清栄山に行きました。


「ねぇ、パパ。
今度、ジュジュくんと
沓掛山に登る約束をしたんでしょう?」


「うん」


「私は...?」


「無理かな...」

「だろうね」


山を登っている時、
私とパパは身体をぶつけるように
抱きあっていました。


私はパパの身体の熱に打たれ、
肌が痛くなりました。


暑さなどまったく問題では
ありませんでした。


私とパパのなかにも、
空を燃え落ちていく
太陽に負けないほどの
熱があったからです。


そして、
その熱が今日も、
私の脳の奥深くにある
悪いものを消毒してくれています。




私たちは抱きあうことで、
時間の流れを止めようとしている
のかもしれません。