深い眠りから目が覚める | 続・阿蘇の国のアリス
深い眠りから目が覚める。


パパが身体をほぐしてくれている。


心臓が鼓動し、
血のめぐりを感じ、
ただ生きているということに
心が満たされることが
あるのだなと思う。

「アリスが立った♪アリスが立った♪」


パパが小躍りしたら、すぐに出発。


今日(3日)は、ジュジュくんファミリーが
広島に帰る日。


そして、
ジャスママさん、ビームさん、
るーさんが南阿蘇に
やって来る日でもあります。

「アリスちゃん、信じてる。
また、必ず会えるって!」


ジャスママさん、ビームさん、
るーさんとの再会は
会席料理「恵の」さんでした。


この世の人のめぐりあいは、
限りない不思議さに満ちています。


そして私たちもまた、
ひとときの夏のめぐりあいを
楽しんでいました。


バラの国のキアラちゃんは16歳。


そんなに長く生きました。


その話を聞きながら、
ぼくは若くして死んだ
犬のことを考えていました。


早くこの世を去る犬、
そして生き続ける犬...


それぞれの犬が生まれもつ、
どうしようもない
命の力というものが
あるような気がしました。


「神様、私の命は、
あとどれくらいですか?

パパとママに、
そして友達に、
私があなたを愛している
っていうことが、
ちゃんと伝わっていますか」


友達は私がバナナのようなフンを
しただけで大喜びしてくれました。

「アリスちゃん、ほんとうにすごいね!
おりこうさんだね」




山都町の「幣立神宮」は
ジャスママさん
たっての希望でした。




ジャスママさんもまた、
生き続けてゆくための、
ひとつの力を
手にしようとしているのです。


パパはどうしても
私を狛犬にしたいようです。


「どうか、アリスを狛犬に...
よろしくお願いします」

その声に、私もママも、
ただじっと耳を傾けていました。