パパが仕事から帰ってくる
午前0時からの30分間が、
私の酵素風呂の時間です。
「歯も磨こうね♪」
そのあと、
午前1時から3時頃までが、
ママのビワの葉温湿布の時間です。
その間に、
パパは友達のブログを読んでいます。
ママの治療が終わると、
パパが私を外に連れ出しました。
私のオシッコに
つきあってくれるそうです。
「パパ、ごめんなさい、出なくて。
もう朝になっちゃった」
「何言ってるの。
アリスとママのためなら
あの世だってつきあってあげる」
「コケコッコー♪」
「ミズタキ、
アリスちゃんのところにいくのかい?」
「そうだよ、クッ、クッ」
「クッ、クッ、クッ、クッ。
クックッ、81」
「ア~リスちゃん、お・は・よ♪」
「やあ、ミズタキ。生きてたの?」
「最近、害鳥や害獣を
追い払うための
爆音機がうるさくて、
なかなか来れないの、クッ、クッ」
「ヤキトリはおうちで今も震えてる」
その日、ママとパパは
こだわりの美容室に行きました。
「白髪染めにはジアミンという
発がん性物質が入っているので、
ジアミンが入っていない
ヘアマニュキュアにしましょうね」
美容室の後は、
こだわりのパン屋さんで
ホーちゃんファミリーと
待ち合わせをしました。
「アリスママ~♪」
「ねぇ、ジュジュかあさんは?」
パパは、私に見苦しく生きろといった。
じたばたして、
カッコ悪くてもいい。
パパのおかげで、
脳腫瘍と闘う気になった。
脳腫瘍になったとき、
もう終わりだと思った。
人生の明るくて楽しい半分は終わった。
でもね、今はこう思う。
まだまだこれからだって。
「みんなもいっしょに歩こう!」