母親から捨てられて
人は孤独なものだと知っていたぼくは、
彼女と出会い、また人と
寄り添うことができるように
なっていました。
「フレ!フレ!アリスちゃん」
医者から最初に言われたのが
「目標は一年」
というものでした。
彼女は肺腺がんの
ステージ4だったのです。
「マリア沙羅杏樹可愛い三姉妹さん、
まりもんさん出たよ♪」
イケメン店長と釣りキチ店長は、
まだ結婚式を挙げていなかったぼくたちに
結婚式をプレゼントしようと
急いで計画をたてました。
20万円弱の小さな結婚式です。
ところが、
ぼくがどんどんどんどん
グレードアップしたため、
200万円になりました。
ぼくは個人年金を解約しました。
6月20日は...
ぼくと彼女の2回目の結婚記念日です。
彼女とアリスという木が、
ぼくに寄り添うように立っています。
もしそれが離れていってしまえば、
生きる価値を失ってしまう。
なぜ生きるのかわからなくなってしまう。
それくらい大切なものです。
「来年もまたいっしょにお寿司たべようね」