ホーちゃんへ | 続・阿蘇の国のアリス
「コッ、コッ。
ニュ~スだよ!ニュ~スだよ!」


「コッ、コッ、今日30日は、
ジュジュとうさんのお誕生日だよ!」


「もう知ってるよ、ヤキトリ。
ニュースが遅いよ、チッ」


でも、今日はそれだけじゃないんだよ、
ママの外来の日でもあるんだ。


病院まではあっという間に着きました。

そよ風のお姉さん...
つまりジュジュかあさんと、
由紀さおりさん...
つまりマリリンさんと、
電話でおしゃべりをしていたからです。

診察も待たずに終わりました。

ママの肺腺がんの経過も良好でした。
よかった...グスン。


私とママのことが心配で、
ホーちゃんファミリーも
後から病院に駆けつけてくれました。


病院を出てからは、
みんなで熊本城のふもとにある
「城彩苑」に行きました。




するとそこでホーちゃんは...


町娘に変身しました。
(二時間千円)


「アリスパパ、似合う?」


ホーちゃんが病院でママに会ったとき、
心配そうにきいていました。

「どうして、アリスママは
病院に行ってるの?」


ママは何も答えられなかったけど、
ほんとうは心の中でささやいていたんだ。


「ホーちゃん、黙っててごめんね。
泣かないできいてくれるかな?」


「ほんとうはね、私病気なの...」


「それもね、命にかかわるような大きな...」


「お医者さまからは、
最初半年しか生きられないっていわれたの...」


「でもね、お薬も効いてくれたし。
アリスやパパをおいていけないから、
こうしてがんばっているの...」


「いつかホーちゃんが大きくなって、
私のことやアリスのことを、
ほんの少しでもいいから
思い出してくれたらうれしいな...」


「私にはもうひとり、
私を愛してくれたママがいたって、
誰かに話してくれたらうれしいな」


「私ね、アリスママのことが
一番好きなの。だからね、
ずっと一緒にいたいの」

「私も、ホーちゃんとずっと一緒にいたいな」


「アリス、子どもはね、
みんな悲しみを食べて成長するんだよ」

「ふーん」