犬を飼うということ | 続・阿蘇の国のアリス
「最近のアリスちゃんはどうですか?
がんばってますね」

真剣な声でした。

その一言で
小石でも落としたように
ぼくの胸にあたたかな波紋が
広がりました。


「最近のアリスは
落ち着いています。
毎日不安定だった体調も
平均して良いようです。

トイレも12時間に
一度はオシッコ、
24時間に一度は
ウンチをしています」

電話の相手、
ジュジュかあさんも安心したようです。


「ただ、食べ物を飲み込む力が
弱くなっているため、
うまく飲み込むことができません。

白く長い痰のようなものも出ていて、
これがアリスを苦しませています。

それから、
セミオーダーの犬用車椅子も
借りることにしました...」


「レンタル料金は
初期費用が20000円で、
毎月4400円です...
また、お金がなくなります」




ママ獣医師のアヤカ先生も
アリスの頑張りに驚いていました。

アリスのことを
セミナーで発表したそうです。

先生には喉のつかえをとる薬を
追加してもらいました。

またまた、お金がなくなります。


さて、今日は家の近くの
「カフェLeek」さんに行きました。


ママが高森じかんの
「おいしい珈琲の淹れ方レッスン」に
参加したいと言い出したのです。


そこで、「Leek」さんに
飼われているリクくん9歳の
話しになりました。

リクくんは今、
手術のできない大腸炎と
闘っています。

便が詰まるので、
薬で柔らかくして
便が出やすいようにしているそうです。


リクくんの前に飼っていた
ラブラドールのガイくんは、
警察犬訓練所のブリーダーから
買ったそうですが...

自分が選んだ子犬とは違う子犬に
すり替えられたうえに、
「アカラス」に感染していたそうです。

ブリーダーにそのことを
問いただすと、ブリーダーは...

「私を脅す気か、お金がほしいのか!」

と、怒りをあらわにしてきたそうです。

「そうじゃありません。
生まれてくる子犬が
かわいそうなだけです!」

そう、反論するのが
やっとだったそうです。


「アカラス」
寄生虫が皮膚に寄生することによって
起こる病気です。

多くは生後間もなく、母犬から
感染すると考えられています。

発症すると体のいたるところに
脱毛が見られるようになります。


その、ガイくんですが...


人間両親が
根気よく治療したおかげで
15歳まで生きたそうです。

死ぬ一週間前まで元気いっぱいに
走り回っていたそうです。


「犬を飼うということは
愛情もお金もかかります」

最後にぽつりと
Leekママは呟きました。