海の天主堂 | 続・阿蘇の国のアリス
天草の玄関口本渡で
寿司をごちそうになった後、
私たちは足をのばして
崎津まで行くことにしました。


本渡から、
約一時間...


崎津は波ひとつさえ
届かないほど入り込んだ
羊角湾にあり、
肩を寄せ合うように
家が立ち並んでいました。


その集落と同化したように
建っているのが
海の天主堂の愛称で
親しまれている
「崎津教会」です。


昭和9(1934)年に建てられた
ゴシック様式の教会。


「杉ようかん、いらんかニャ~♪」


ここ崎津も
1638年の禁教令以降、
厳しい弾圧を受けながら240年間、
潜伏キリシタンによって
信仰が守られてきました。


カトリック崎津教会の
絵葉書には...


「疲れた者 重荷を負うものは


だれでもわたしのもとに来なさい。


休ませてあげよう」

と、書かれていました。


「ねぇ、アジの桜干し買ってよ~♪」

「じゃ、釣りキチ店長に...」


「静かな漁師町だね」


「クン、クン、マリア様の匂いがする...」


「マリア様、どこだろう?」


「危ない...」


「あったよ、アリス」


崎津教会信徒の
かねての念願が叶い、
1974年、崎津港入り口に
聖母マリア像が建てられました。


それからというもの、
「海の聖母マリア像」は、
ここに行き来する船人、
漁師たちの海の道しるべ、
心の灯となりました。


「もう一つの教会にも行ってみましょう」