羽包む(はぐくむ) | 続・阿蘇の国のアリス
「好きなものをたくさん
食べてくださいね」

ママの誕生日の昼食は、
ジュジュくんファミリーに
祝ってもらいました。


「僕もゴールデンを
飼っていました。
一番好きな犬種です。
その犬が亡くなってからは
もう犬を飼うことが
できなくなりました。
ずっと立ち直れないのです」


「イタリアン食堂」のシェフは、
レストランをcloseにした後、
私とジュジュくんのわきに座って
懐かしそうに語りかけてきました。


ゆったりとした
昼食が終わると、
ジュジュくんファミリーを
「一心行の大桜」へと
案内しました。

そこからは、
トクナガくんも合流しました。


15日の一心行は
空が白い雪でおおわれたように
白くかがやいていました。


「やっぱり、来てよかった。
天気もいいし」

ジュジュかあさんは吐息まじりに
言いました。


「ジュジュかあさん、
この場所かもしれません」


「ハート型に見えるのは」


一心行の次は
「千本桜」に誘いました。






「私が元気だった頃は
この峠を下から上まで走っていたわ」


「突然タヌキが現れて
噛みつかれたこともあるの。
そのタヌキに二度目に会ったとき、
今度は追いかけて噛みついてやったわ」


「なんだか、楽しそうだね」


時間は午後5時を過ぎていて、
仕事を終えた仲間達も
続々と千本桜に集まってきました。


「あのピンク、
ホーちゃんファミリーの車です」


今夜、ママの誕生パーティを
皆で開くのです。


「奇麗で、まぶしい」

と言いつつ
ママは桜を眺めています。

尾を振るジュジュくんの姿を見ては
喜んでいます。

子供を持った経験のない
ママにとって草木と犬は
子供と同じなのです。


犬も草木も放っておいても
育つように思えますが、
そうではありません。


育の字は、
はぐくむとも読みますが。

読み方の由来は、羽包むで、
親鳥が仔を羽に包んで成長させる
ところから来ているそうです。


そう言えば、
今回の桜の旅でも
似たような光景を目にしました...


ジュジュかあさんのブログです。

羽包む(はぐくむ)。