決して離れない | 続・阿蘇の国のアリス
「1番、一番鶏を歌います。
コケコッコ~♪」


ママには血のつながらない
子どもが二人います。

「アリス、おはよう♪」


「ヤキトリ、待て~!」


私と...


ホーちゃんです。


きょうは、
こどもの日を前に、
私とホーちゃんが
お花畑に連れて行ってもらう日です。


お花畑の場所は
「くじゅう花公園」です。


九州の中心部に位置する
雄大な久住高原。

そこに広がる22万㎡の
くじゅう花公園は、
春から秋にかけて約500種、
500万本の花々が咲き誇ります。


ところが...

あまりの人出に
私は車に残されることになりました。


「私のことはいいから...」


ママは私との約束を守って、
自分の時間を大切にしているようです。




花に目を向け始めると、
私たちはふと
立ち止まることができます。


その季節の色に、
私たちはたった一回の
生命を生きていることを
教えられるのです。


「ラムズイヤー...」




「エリゲロン...」


「アリスパパ、あれは?」


「フジ...。花言葉は決して離れない」


「ヒョイ♪」


「ヒョイ♪」






「ヒマワリ見っけ♪」


「わぁ~い、船がある。乗ってみよう♪」


「いつか本物の船に乗ろうか」
「うん、乗りたい」


お昼は、
ジンギスカンにしたようです。


「ジンギスカンて...なあに?」


「たしか、ヒツジだったような」


「うメェ~♪」


「これは、猪肉。
もうひとりの子どもに...」


「ほらアリス、焼けたよ。
ずっと匂いがしてたでしょう」

パパは車で待っている私にも
猪肉を焼いて持ってきてくれました。

私から決して離れないんだそうです。

「おいしいよ、パパ...グスン」