病 | 続・阿蘇の国のアリス
誕生日が過ぎても、
私は生きていました。

花びら(がくへん)を
落・と・さ・な・い
クリスマスローズのように...。


そして今日も、
私をとりかこむすべての人が
懸命に私を守ってくれています。




「アリス、がんばれー!」


「パパ、アリスママがんばれー!」


その日私は、
12時間ぶりのオシッコをして
旅に出ました。


「アリちゃん、今度、
おかあさんといっしょに
うちの酵素風呂に入りにおいで...」

行く先は、
カナちゃんの待つ
黒川温泉です。


手土産には、
「南阿蘇ふれあい農園」さんの
減農薬いちごを持って行くことにしました。


ホーちゃんと、
ホーちゃんパパもいっしょです。






病とはなんだろう?


それぞれの人間や動物に、
病を得なければならない
理由があったのでしょうか。


悪い人間が悪い病気を得るなら、
まだ納得ができます。

でも、実際には
病は人を選びませんでした。


天から無数の毒の矢を投げ落とし、
たまたまその矢に当たった人間が、
不運にも病を得てしまう。


それは人の知恵では予想することも、
回避することもできない
偶然の悪意だったのです。


その悪意に人はどう
応じればよいのでしょうか...。