神様に叫ぶ | 続・阿蘇の国のアリス
きのうママは、
お別れのお花を持って
ユカおねえさんのところに行きました。






そこで、
熊本のブログ友だちの
珀たろーさんにも会いました。


「あっ、アリスちゃんだ」


「珀くん、琳瑚ちゃん...会いたかった♪」

「私たちの赤ちゃん、
琥珀と翡翠が生まれたんだよ」


「...そう」


「おめでとう」


その後、親子で
「ボンジュール」さんの
ランチをいただきました。


「アリスちゃん、いらっしゃいニャー」


「ずいぶん弱っちゃった...」


子育ては決して順調にいきません。

どんな親子もそれを経験します。


三十年前の七月...。

北海道から十人の若者が
自転車で東北にむかいました。


その中にぼくの友人がいて、
柔道で心身を鍛えていた十九歳は、
将来、船長になるのが夢で、
釣竿を積んで旅に出ました。


何日目かの午後。

十人の若者が
釣り糸を垂れていたとき、
ひとりの女の子が
川に落ちて溺れてしまいました。

友人はすぐに川に飛び込み、
その子を岸まで救いあげると
力尽きて滝壺に沈んでいきました。

※2016年3月


夕刻の大雨で、
その日友人は見つからず、
翌日遺体となって見つかりました。


検視の医師がやってくると、
母親が大声で言ったそうです。

「先生、この子は一生懸命に
身体を鍛えていました。
丈夫で、素直な子です。
どうぞ生き返らせて下さいませ」


もし、アリスが死んだなら...

ぼくもあの時の母親と同じように
大声で叫んでしまうかもしれません。


「神様、アリスは強くて優しい子です。
畑を荒らすイノシシを追い払い、
赤牛にも勝ちました」


「冬の食べ物がない時期。
キツネのレッドのために
自分のご飯を残し与えていましたし...」


「ケガをした友だちの横で
一時間の間、寄り添ったこともありました。

自分が死にそうになったとき、
涙を落していましたし、
子供には優しく、
背中におんぶしてあやしていました」


それから、それから...

どうぞ、アリスを生き返らせてください。
神様お願いです!」