百万回生きたいぬ | 続・阿蘇の国のアリス
パパは高森町の
「新酒とふるさとの味まつり
・ラストイベント」に
お梅とフー子を誘いました。

「あっ、オカマが来たクックッ」


「おはよう、ヤキトリ、ミズタキ」


「なにしゃがる、はなせよクックッ」


私のトイレはお梅に頼みました。


パパは出発前に、
希さんからもらった
クリスマスローズを庭植えしました。




「フレー!フレー!アリスちゃん!」


「いってらっしゃ~いクックッ」


私は会社の託児所にあずけられ、
代わりにホーちゃんが車に乗り込みました。


「ねぇ、ジュジュかあさんは?」
「きょうは来てないよ」


お梅は、飲み相手の
ジュジュとうさんがいないので
ホーちゃんパパを呼びました。


「仕事前なのに
飲んでだいじょうぶですかね?」
「アリスパパがいいって
いってるからいいんじゃん」


「これは、これは、アル中のお梅さん」


「たっぷり入れときますね♪」




「アリスママ、阿蘇黒ハヤシが食べた~い」




「生揚げも食べた~い」


「口のまわりに付いちゃった、テヘッ♪」


ママは高菜ピラフを食べました。




「てのはan」さんにも寄りました。


ママは古代米おはぎができあがるまで、
ホーちゃんに絵本を読んであげました。


最初は楽しそうにきいていた
ホーちゃんですが、
きいてるうちにだんだんと
悲しくなってきました。


「...たった1ぴき、
ねこに見むきもしない、
白いうつくしいねこがいました。

ねこは白いねこのそばにいって、
おれは、百万回もしんだんだぜ!
といいました」


「白いねこは、そう。
といったきりでした。

ねこはすこしはらをたてました。
なにしろ自分がだいすきでしたからね」


「...ある日、白いねこは、
ねこのとなりでしずかに
うごかなくなっていました。

ねこははじめてなきました。

夜になって、朝になって、
また夜になって、朝になって
ねこは百万回もなきました。

朝になって、夜になって、
ある日のお昼に
ねこはなきやみました。

ねこは白いねこのとなりで
しずかにうごかなくなりました」


「ねこはもうけっして
生きかえりませんでした」


「ジュジュかあ~さん待ってるよ~♪」


「...アリスは何度も生きかえりました」