アリス、寒くないかい | 続・阿蘇の国のアリス
「ヤキトリ、行ってきます♪」


ヤキトリに見送られて、
阿蘇望の前にある
「ちきゅうや」さんに行きました。


「いい眺めですね~」




「私のカキフライとエビフライ...」


「そっちのもおいしそうですね」


「ハヤシライス」


「ちきゅうや」さんは、
会社の忘年会で
お世話になった南阿蘇の食事処です。

パパとママは
その日参加しませんでしたが、
釣りキチ店長が部下のためにと、
五万円用意していました。

ところが、
かつれた部下たち(13人)は、
七万円分も食べてしまいました。

「こんなことなら、
焼肉食べ放題に行けばよかった」
と、釣りキチ店長は
いまだに後悔しています。

※これは持ち帰りです


さて、
パパとママの食事が終わると、
私は500mの散歩道に
連れ出されました。


どうやら、
ドッグマッサージを受けた私が、
どれだけ歩けるかを
実験するつもりです。


しかし、
車は500mの散歩道を過ぎ去り、
小高い丘の手前で止まりました。


そこは、見覚えのある
馬頭観音様を祀る
「鳥の小塚公園」の入口でした。


「なんだか嫌な予感がする...」


「二万円も払ったんだから
このくらい登れるでしょう」

「やっぱり登るんだ...」


さらに、
パパのゲキが飛びました。

「アリス、二万円も払ったんだから、
登って来い!」


「チッ...。
二万円、二万円、うるさいな」

私は仕方なく、
丘の頂上まで登ることにしました。


「アリスよくがんばった」


外の大気はもう大寒の冷たさでした。


丘を降りる時は、
パパが抱いてくれました。

何も言ってはくれませんでしたが、
抱きしめる力で
私を愛してくれていることが
わかりました。

「アリス、寒くないかい?」

パパは最後に一言だけ呟きました。

「ううん、あったかい」