アニマルキョウコ | 続・阿蘇の国のアリス
イノシシ林で
バナナのようなフンをしたら、
旅の始まりです。


さて、
なぜここが、
「イノシシ林」かというと...

以前この場所で、
パパと二人で協力して
イノシシを捕まえたからです。


「ブヒーーッ!」


そのイノシシは、
友人がもらって、
「うまそう」と名付けられ
部屋飼いで育てられていましたが、
やがて死んでしまいました。


友人家族は泣きながら
うまそうを猪鍋にして、
「うまい、うまい」
といって食べたそうです。


その日、会社にいくと、
「蜂の子」が置いてありました。

高千穂から通う、
アニマルキョウコちゃんが
山から捕ってきたものでした。

※右から2人目がキョウコちゃんです


「ママ、アリスちゃん。
さぁ、遠慮しないで食べてください。
とってもおいしいですよ」


私もママも
ずいぶんと迷いましたが、
ついに、食べることは
できませんでした。


ニクショクセイラちゃんは、
思い切って口に入れました。

「エイッ!」


この蜂の子を捕ってきた
アニマルキョウコちゃんですが、
ワイルドな話がいくつかあります。

よかったら、聞いてください。

ひとつは、
道路に横たわるイノシシがいて、
持って帰って食べようとしたところ、
まだ息があったので、
何度も棒で叩いて
息の根を止めたそうです。

もうひとつは、
彼女の家には柿の木があって、
ある日、カラスがきて
柿が食べられるのを見て腹が立ち、
カラスを捕まえる
ワナを仕掛けたそうです。

カラスはすぐに
ワナに掛かったのですが、
やはり、カラスも殺して
食べたそうです。

「カラスもおいしかったですよ」

彼女は笑いながら話しましたが、
それを聞いたみんなは
後ずさりしていました。

「やっぱり無理~!」

やがて、
ニクショクセイラちゃんは、
蜂の子を口から吐き出しました。


私はどんなものでも食べる。
大阪生まれのせいだろうか。
食べることには目がない。


朝、目をさまして、
まず考えることは、
さて今日はどんなものに
出会えるだろうか
ということである。

ふとんのなかで
目をパチパチさせながら
想像を走らせるときの
楽しさったらない。

開高健「開口一番」より