思い出のやきそば | 続・阿蘇の国のアリス
11月25日。

私を乗せた車は、
大分を走っていました。

「ドナドナドナ、ドナ~♪」


パパが思いつきで、
ここまでやって来たのです。

「ママは美容室に行きたいんでしょ?」


「熊本の方がずっと近いじゃん...」


なぜパパが
ここまで来たのかというと...

大分にはパパが行きたい
大きな本屋さんがあって、
ママをその近くの美容室に
行かせたかったのです。


二人いっしょの美容室は、
パパの方が先に終わるため、
パパの時間つぶしには
ちょうどいいのです。


その美容室は、
大きな本屋さんから
300m程離れた場所で見つけました。


犬が大好きな
オーナーでしたから
私が中で待っていても大喜びです。


パパは先に終わると、
計画どおり、大きな本屋さんに行きました。


パパが10冊目の本を選んだ頃、
ママの美容室が終わりました。


「よかった、髪が切れて。
落ち武者みたいだったからね」


その日のママとパパのご飯は、
関アジ、関サバでもなく、
とり天、だんご汁でもなく、
やきそばでした。

ママとパパが高校生の頃、
初デートで食べた、
「想夫恋」さんのやきそばでした。


今日(11月25日)で
ママとパパが付き合い始めて、
33年になりました。
入籍したのも3年前の今日。

「本当は、パパ...
ママといっしょに
思い出のやきそばを
食べたかったんだね」